世界には「親日」といわれる国や地域がたくさんあります。海外旅行をするときも、親日国を訪れると、なんとなく過ごしやすかったり、現地の人とのコミュニケーションがスムーズだったり、なんてことがないでしょうか? そこで、比較政治や国際政治経済を専門とする政治学者が、なぜその国や地域が親日なのか、政治や歴史の背景から解説します。
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留学先や旅行先として人気のオーストラリア
オーストラリアは日本人の渡航先として長年人気があります。シドニーやメルボルン、アデレード、ブリスベンなどは英語の留学先として、またはケアンズやタスマニア島などは旅行先として人気があり、皆さんの周りにもオーストラリアへ渡航された方はかなりいらっしゃるのではないでしょうか。
そして、オーストラリアは親日的といわれますが、今後も両国の関係は重要となるでしょう。その背景について政治、経済的な視点から簡単に説明したいと思います。
中国の影響力拡大に対する強い警戒感
まず、政治的にですが、近年、オーストラリア周辺では中国が安全保障上の影響力を高めています。
特に、オーストラリアが裏庭と位置づける南太平洋において、中国は巨大経済圏構想「一帯一路」によって多額の経済支援を行い、ソロモン諸島やバヌアツ、パプアニューギニア、フィジー、トンガなど楽園といわれる島国は中国への経済的依存度が高まっているのです。
オーストラリアはそれに強い警戒心を覚え、近年は中国の海洋進出に懸念を強める日本との安全保障上の接近を試みています。特に、安倍晋三元首相が提唱した“自由で開かれたインド太平洋”の実現に向け、日本とオーストラリアは米国やインドとともに協力を強化しているのです。
日本との経済関係のさらなる強化
また、経済的には、オーストラリアと中国の関係が悪化。中国は近年、ワインや牛肉などオーストラリアの特産品の輸入を一方的に停止するなど、両国の間では経済摩擦が深刻化しています。
オーストラリアは中国による人権問題や新型コロナウイルスの真相解明などで不信感を強めており、それによって中国が報復的措置として輸入禁止に出たといわれています。そのような状況で、オーストラリアとしては関係が良好な日本との経済関係のさらなる強化を望んでいるのです。
ビジネス的観点からもより重要に
我々が住むインド太平洋地域において、日本とオーストラリアには接近する政治的背景があります。今後も中国は大国化に伴い、さらに海洋進出に拍車を掛けてくるでしょう。そうなれば、日本とオーストラリアの関係はいっそう結び付きが強くなることが予想されます。
渡航には留学や旅行、ビジネスなどがありますが、今後はビジネス的観点からもオーストラリアの重要性が増すことでしょう。
[All photos by Shutterstock.com]
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留学先や旅行先として人気のオーストラリア
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そして、オーストラリアは親日的といわれますが、今後も両国の関係は重要となるでしょう。その背景について政治、経済的な視点から簡単に説明したいと思います。
中国の影響力拡大に対する強い警戒感
まず、政治的にですが、近年、オーストラリア周辺では中国が安全保障上の影響力を高めています。
特に、オーストラリアが裏庭と位置づける南太平洋において、中国は巨大経済圏構想「一帯一路」によって多額の経済支援を行い、ソロモン諸島やバヌアツ、パプアニューギニア、フィジー、トンガなど楽園といわれる島国は中国への経済的依存度が高まっているのです。
オーストラリアはそれに強い警戒心を覚え、近年は中国の海洋進出に懸念を強める日本との安全保障上の接近を試みています。特に、安倍晋三元首相が提唱した“自由で開かれたインド太平洋”の実現に向け、日本とオーストラリアは米国やインドとともに協力を強化しているのです。
日本との経済関係のさらなる強化
また、経済的には、オーストラリアと中国の関係が悪化。中国は近年、ワインや牛肉などオーストラリアの特産品の輸入を一方的に停止するなど、両国の間では経済摩擦が深刻化しています。
オーストラリアは中国による人権問題や新型コロナウイルスの真相解明などで不信感を強めており、それによって中国が報復的措置として輸入禁止に出たといわれています。そのような状況で、オーストラリアとしては関係が良好な日本との経済関係のさらなる強化を望んでいるのです。
ビジネス的観点からもより重要に
我々が住むインド太平洋地域において、日本とオーストラリアには接近する政治的背景があります。今後も中国は大国化に伴い、さらに海洋進出に拍車を掛けてくるでしょう。そうなれば、日本とオーストラリアの関係はいっそう結び付きが強くなることが予想されます。
渡航には留学や旅行、ビジネスなどがありますが、今後はビジネス的観点からもオーストラリアの重要性が増すことでしょう。
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