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【あの国はなぜ親日国なのか?】W杯開催国「カタール」が親日といえる歴史的背景

TABIZINE 2022年12月5日 7時30分

世界には「親日」といわれる国や地域がたくさんあります。海外旅行をするときも、親日国を訪れると、なんとなく過ごしやすかったり、現地の人とのコミュニケーションがスムーズだったり、なんてことがないでしょうか? そこで、比較政治や国際政治経済を専門とする政治学者が、なぜその国や地域が親日なのか、政治や歴史の背景から解説します。

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豊富なオイルマネーで近代化した国

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昨今、カタールではサッカーワールドカップが開催され、世界中の注目が集まっています。日本もドイツに勝ったり、コスタリカに負けたり、そしてスペインに勝ったりしていますが、これまでの試合を見ていると、優勝はブラジル、フランス、スペイン、イングランドあたりになるような感じがします。

一方、今回カタールという国を初めて知った、どこにあるのかと思う人も少なくないと思われます。カタールのある中東には、戦争やテロで危ないというイメージを持つ人もいるかもしれませんが、実は豊富なオイルマネーで近代化を成し遂げたカタールは、近年注目されている国です。

カタール航空のサービスは世界一

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日本でも近年、ドバイやUAE(アラブ首長国連邦)の知名度は高くなっていますが、基本的には、その延長と思っていただいていいと思います。航空業界では“中東御三家”といわれますが、それはUAEのドバイに拠点を置く「エミレーツ航空」、同じくUAEのアブダビに拠点を置く「エディハド航空」、そしてカタールの「カタール航空」を指します。

そして、ここ数年、カタール航空はサービス面で世界ナンバー1を記録し続けており、特にビジネスクラスのパフォーマンスはすごいです。筆者もこれまで出張でカタール航空のビジネスクラスに4回ほど乗りましたが、接客や飲食の質は言うまでもなく、ビジネスクラスの利用者にはパジャマも配られるほど。

最近のビジネスクラスの座席は、ほぼ個室状態となっており、正直JALやANAのビジネスクラスよりもうワンランク上、上級ビジネスクラスといった感じです。


gnoparus / Shutterstock.com

さらに、カタール航空の本拠地「ハマド国際空港」は、オイルマネーで建造されたお城のような近代化された建物。ビジネスクラス専用のラウンジは極めて広く、シャワーや寝室も完備されているほか、サンドイッチなどをオーダー制で提供してくれるので、まさにお金持ちの国といった感じです。

首都ドーハの治安も良好。犯罪に遭う可能性があるという前提のもと十分な注意は必要ですが、至るところが整備されており、近代化したアラビアン世界を楽しむことができます。また、周辺に行けば砂漠も広がっているので、“the中東”も味わうことができるのです。

メトロの建設には日本企業が深い関わり

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日本とカタールの関係は良好で、多くのカタール人は親日的です。理由としてはいくつかありますが、まずは欧米とイスラム国家は歴史的に戦争を繰り返してきた一方、日本と中東諸国、イスラム国家は歴史的に戦争をしたことがありません。

また、日本は輸入する石油の9割を中東に依存しています。要は、カタールなど中東諸国からすると日本は長年のいいお客さんで、経済的にも強い信頼関係で結ばれています。

さらには、ドーハにできた無人運転のメトロの建設には三菱重工業や三菱商事、日立製作所などが深く関わっており、まさに日本の技術がドーハ市民の日常を支えている状況です。こうした背景もあり、カタールと日本は極めて良好な関係にあります。

来年夏にも、カタールではサッカーのアジアカップが開催される予定で、今後もカタールブームが続きそうです。中東へ渡航されるなら、カタールはおすすめの旅行先です。

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