世界には「親日」といわれる国や地域がたくさんあります。海外旅行をするときも、親日国を訪れると、なんとなく過ごしやすかったり、現地の人とのコミュニケーションがスムーズだったり、なんてことがないでしょうか? そこで、比較政治や国際政治経済を専門とする政治学者が、なぜその国や地域が親日なのか、政治や歴史の背景から解説します。
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不安定な世界情勢や米中対立で日本も難しい立場に
近年、世界では安全保障や経済など、さまざまな分野で米国と中国との対立が激化し、今年のロシアによるウクライナ侵攻、台湾情勢を巡る緊張など、世界はいっそう不安定な時代に入っています。そのようななか、日本と中国との関係も悪化するとの懸念が拡大し、昨今、日中関係も難しい状況にあります。
確かに、今日の日中間には尖閣諸島や台湾情勢など、解決困難な問題が多々あり、米中対立もあって、日本は米中の間で難しい立場にあることは間違いありません。
若手世代は親日的な人が多い
しかし、水面下では決してそうとも言えません。日本にとって中国は、今や最大の貿易相手国であり、中国とのビジネスなしには日本経済は成り立ちません。特に、留学や駐在などで海外経験がある中国の若手世代は、日本や米国など民主主義国家の文化や社会に馴染んでおり、親日的な人々が多いと思います。そういった若者たちは香港などに多くいて、開放的な中国の未来を強く願っています。
中国内外で「ゼロコロナ」政策への抗議活動
中国では10月に習近平国家主席の3期目がスタートしましたが、その直前、北京市北西部にある四通橋では「ロックダウンではなく自由を、PCR検査ではなく食糧を」「独裁者習近平を罷免せよ」などと赤い文字で書かれた横断幕が掲げられる出来事がありました。
また、11月以降は、北京や広州、上海など国内各地で反「ゼロコロナ」を求める抗議デモ、抗議集会が行われ、ロンドン、パリ、東京、シドニーなど各国でも同様の抗議活動が見られました。
高まる自由を求める声
コロナ禍以降、中国国内では外出禁止など厳重な感染対策「ゼロコロナ」が実施され、市民は日常生活を普通に送れなくなり、企業は経済活動を大幅に制限され、中国市民の間では反習政権の流れが強くなっています。
こういった抗議デモに参加している多くは若い世代で、“自由に生活させろ”“自由に仕事させろ”という自由を求める声は、年々高まってきているように感じます。最近ではゼロコロナのなか、カタールではワールドカップが開催され、各国サポーターたちがマスクなしで楽しんでいる様子は、まさに自分たちと対照的に写ったようです。
自由を求める中国市民の方々は、むしろ共産党に対して反発しており、日本などに対しては極めて親日的です。ここにもう1つの日中関係があるのではないでしょうか。
[All photos by Shutterstock.com]
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不安定な世界情勢や米中対立で日本も難しい立場に
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確かに、今日の日中間には尖閣諸島や台湾情勢など、解決困難な問題が多々あり、米中対立もあって、日本は米中の間で難しい立場にあることは間違いありません。
若手世代は親日的な人が多い
しかし、水面下では決してそうとも言えません。日本にとって中国は、今や最大の貿易相手国であり、中国とのビジネスなしには日本経済は成り立ちません。特に、留学や駐在などで海外経験がある中国の若手世代は、日本や米国など民主主義国家の文化や社会に馴染んでおり、親日的な人々が多いと思います。そういった若者たちは香港などに多くいて、開放的な中国の未来を強く願っています。
中国内外で「ゼロコロナ」政策への抗議活動
中国では10月に習近平国家主席の3期目がスタートしましたが、その直前、北京市北西部にある四通橋では「ロックダウンではなく自由を、PCR検査ではなく食糧を」「独裁者習近平を罷免せよ」などと赤い文字で書かれた横断幕が掲げられる出来事がありました。
また、11月以降は、北京や広州、上海など国内各地で反「ゼロコロナ」を求める抗議デモ、抗議集会が行われ、ロンドン、パリ、東京、シドニーなど各国でも同様の抗議活動が見られました。
高まる自由を求める声
コロナ禍以降、中国国内では外出禁止など厳重な感染対策「ゼロコロナ」が実施され、市民は日常生活を普通に送れなくなり、企業は経済活動を大幅に制限され、中国市民の間では反習政権の流れが強くなっています。
こういった抗議デモに参加している多くは若い世代で、“自由に生活させろ”“自由に仕事させろ”という自由を求める声は、年々高まってきているように感じます。最近ではゼロコロナのなか、カタールではワールドカップが開催され、各国サポーターたちがマスクなしで楽しんでいる様子は、まさに自分たちと対照的に写ったようです。
自由を求める中国市民の方々は、むしろ共産党に対して反発しており、日本などに対しては極めて親日的です。ここにもう1つの日中関係があるのではないでしょうか。
[All photos by Shutterstock.com]
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