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【世界の立入禁止スポットvol.9】史上最悪の原発事故が起こった〜ウクライナ・チェルノブイリ〜

TABIZINE 2023年1月8日 7時30分

世界の立入禁止スポットといわれて、すぐに思い浮かぶのは、ウクライナの「チェルノブイリ(チョルノービリ)」ではないでしょうか。1986年の原発事故から35年以上の月日が経過していますが、いまだに半径30km圏内の地域は立入禁止です。今回は、そんなチェルノブイリ原発事故の詳細や現状について紹介します。

 
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史上最悪の原発事故といわれている

1986年4月26日、停電時にどのようなことが起こるのか、という重要なテストを行うため、エンジニアにより、チェルノブイリ原子力発電所第4原子炉のシステムの一部が止められました。

これが発端となり、原子炉に冷却水を流し込むタービンの速度が遅くなり、少ない水が大量の蒸気となって、原子炉内の圧力を上げました。オペレーターが気づいたものの、時すでに遅し。蒸気爆発が起こり、原子炉建屋の上部や一部の側面が吹き飛び、原子核が大気にさらされました。

その後、10日間にわたる火事で、放射能を含む煙と粉塵が欧州全土に撒き散らされた結果、原発から半径30km以内のコミュニティに避難勧告が出され、ロンドンの2倍以上にあたる4,000平方キロメートル以上の地域が立入禁止に。

突貫工事で石棺が築かれた

チェルノブイリ原発4号機は、半年の突貫工事により、「石棺」が築かれ、放射能物質が外部へ流失するのを防いでいました。しかし、時の流れとともに老朽化。2023年現在は、チェルノブイリ原発4号機を覆うために新設されたアーチ型のシェルターで保護されています。

今は野生動物の宝庫に!

絶滅危惧種で現存する最後の野生馬「プシバルスキーウマ」も個体数を増やしている

チェルノブイリ原発事故により30万人が避難した後、ウクライナとベラルーシにまたがる広大な立入禁止地域はどうなったのでしょうか?

事故による汚染で生物の生存が危ぶまれていたものの、実は昨今、植物が再び育ち、動物が急増しているという研究結果が出ているのです。


複数の国の研究者からなるチームが、ヘリコプターから動物の個体数を確認したところ、オオカミの生息数は7倍になったといいます。また、ヘラジカやシカ、ビーバー、フクロウなどが見られるほか、この地域には珍しいヒグマがコロニーを形成(もしくは再形成)したり、バイソンが繁殖して個体数を増やしているとか。

今や立入禁止地域は、欧州で有数の野生生物生息地になっているそうです。

2011年の原発事故の影響で住民が避難した福島の地域でも、イノシシが爆増し、「家畜のブタと野生のイノシシの雑種」も生息しているとのこと!


放射能の影響が残り、かつて人が住んでいて、今は住んでいないという、世界でも稀な場所で、今後、生態系にどのような変化が訪れるのか……気になるところです。

[参考]
BBC NEWS JAPAN/33年後のチェルノブイリ訪問 にぎわう立ち入り禁止区域、消えない不安
BBC NEWS JAPAN/福島原発事故後、町を「乗っ取った」イノシシを調査 家畜のブタと交配
WIRED/チェルノブイリの原発事故が「動物の楽園」を生み出した? 異なる調査結果から浮き彫りになったこと
WIRED/「動物の楽園」となったチョルノービリ原発、そこにロシア軍が侵攻して起きていること
ナショナル ジオグラフィック/事故から30年、チェルノブイリが動物の楽園に

[All photos by Shutterstock.com]

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