TABIZINE10周年企画、第3弾は日本女子大学とコラボ。大学生ならではの視点で切り取られた海外の“今”をお届けします。今年2023年から国際文化学部が新設された日本女子大学。新学部では1年生から約2週間の海外研修で他国の言語や文化を学ぶプログラムが必修となりました。彼女たちの研修中のカメラロールや等身大の体験談から見えてくる、教育や文化、価値観の違い、そこから得た学びとは? 第2回は、アメリカ編。レポーターは、日本女子大学国際文化学部1年生のみおさんと、M.Nさんです!
ボストンの街並み
海外短期研修中のカメラロール見せてください!
みおさんのカメラロール
【pick up!】ボストン・レッドソックスの試合を観戦!
「私は野球観戦が趣味なので、今回研修の中でボストン・レッドソックスの試合を観戦できることを本当に楽しみにしていました。吉田選手の応援ボードを作って日本から持参し、少しでも楽しめるように準備。試合はとても迫力のある乱打戦で、見ていてどちらのチームの選手もとても魅力溢れる試合でした。レッドソックスは負けてしまいましたが、日本の球場とは違う雰囲気や食べ物、応援ソングなどを楽しむことができ私の一生の思い出になりました。
最初は、日本人選手の応援ボードを持っていると差別的な発言をされるのではないかと心配していましたが、いざ球場に行ってみるとみな優しく話しかけてくださったり、日本語で声をかけてくださったり。とても優しい方ばかりだなと嬉しくなりました」(みおさん)
【pick up!】若草物語の著者の家へ
「ボストン近郊のコンコードへ。私の一番と言ってもいいほど好きな本である若草物語の著者 ルイーザ・メイ・オルコットの家を訪れた際の写真です。若草物語は、アメリカの家庭の雰囲気など日本では感じることができない当時の空気が感じられるところが好きです。
当時は男尊女卑の時代で女性の行動が制限されていましたが、オルコットは男性に立ち向かうように女性の教育向上を目指していました。彼女の家を実際に見ることで、女性として強く生きよう、何でもチャレンジして諦めない気持ちを持とう、という自信を持つことができました」(みおさん)
M.Nさんのカメラロール
【pick up!】現地から家族へカードを贈る
「現地で買ったポストカードを家族と祖父母と自分宛に書いて、投函するときの写真です。郵便局のおじさんがすごく親切で、切手を買って投函するところまで送り方を丁寧に教えてくれました。国際郵便なので1.5週間ほどかかりましたが、トラブルなく到着。アメリカから送っているというプレミアがあって、個人的にお気に入りのお土産となりました」(M.Nさん)
現地で感じた文化ギャップ
アメリカのスーパーはテーマパークみたい
「アメリカのスーパーマーケットはどこも本当に大きくて、ドアを開けた瞬間テーマパークに来たような気分になりました。商品も日本のものよりもサイズが大きく、少しだけ買おうとしても大きすぎて買えません。
日本では種類が少ないシリアルも、アメリカでは色々な種類のものがあり、全部買って帰りたいくらい可愛くてカラフルなパッケージのものばかり。ポテトチップスも本当にたくさんの種類があり、驚きとともに全部試してみたい! と友人と一緒に目をキラキラさせ散策しました。CAPE COD(ケープ・コッド)と呼ばれるマサチューセッツ州生まれのポテトチップスが塩加減も抜群でとてもおいしかったです。友人は箱買いしていました。
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特にハマったのはChobani(チョバーニ)というヨーグルト。ギリシャヨーグルトの中に色々な味のシリアルを入れるという商品なのですが、フレーバーがとても豊富で滞在中4回くらいリピートしてしまいました。 Chobani® Flip® Peanut Butter Cupというピーナッツバター味のクッキーにチョコが入っているフレーバーが一番お気に入りです」(みおさん)
燃えるゴミも燃えないゴミも一緒!?
「私が宿泊した施設では燃えるゴミも燃えないゴミもすべて一緒。道端に大量のゴミ袋が積み上げられている光景をみて、日本の町が整備されていることを改めて感じた瞬間でもあります。渡米前は、アメリカはジェンダーフリーや女性の社会進出など多方面で最先端であるというイメージを抱いていたため、州によっても状況は異なるとは思ったものの、ヨーロッパや日本との違いに驚き、少しショックを受けました。
そこで、なぜアメリカは環境への配慮がヨーロッパほど進んでいないのか、現地のホステルで出会ったビジネスマンと話す機会があったときに環境問題について話してみたんです。彼は、アメリカも環境問題にしっかり向き合うために動きつつあるが、色んな文化・宗教をもち自由度が高い分、ごみの分別などの慣習を急に変えていくのはかなり難しい、という意見でした。多文化国家であるがゆえの問題なのだと感じました」(M.Nさん)
積極的にお金を集めるホームレスが多い
「ボストンは比較的整備された街という印象があったのですが、実際に行ってみるとホームレスがとても多い印象でした。日本のホームレスとは違い、子どもたちに自由を! 医療の普及をもっと! などと書かれたプラカードを置き、色々な方法でお金を集めています。ホテルの近くのコンビニでは、とても優しくお店のドアを開けてくださるホームレスの方もいました。ホームレスといっても色々な人がいるのだなと感じました」(みおさん)
服装も時間も働き方もおおらか
「日本とアメリカの学生の服装の差を感じました。私達の大学の学生はスカートを履いたり、大学だからダル着はダメ、化粧もしていかなくちゃなど慣習というものに縛られて学生生活を送っている気がします。その反面、アメリカの学生はある意味自由で服装も特に縛りがないように感じました。型にはまらず、のびのびと自分らしく生活しているように見えます。
また、バスが予定時間に来なかったり、集合時間に来なかったり、アメリカの人は日本人に比べて時間に対しても大胆で大らかだなと感じます。
さらに、店員さんは仕事中に普通に音楽を聞いていたり、ガムを噛んでいたり。日本ではマニュアルがあり、お客様へのおもてなしを大事にするように書かれているので、随分と感覚が違うなと感じました」(みおさん)
海外で役立つモノ・コトはこれ!
「ピカチュウの絵柄がついているスナック菓子を現地の学生にプレゼントしたらとても喜んでくれました。日本のアニメが起用されたプレゼントは喜ばれると思います」(M.Nさん)
「現地の人には折り紙で鶴を折って持っていったら本当に喜んでもらえました。アメリカには紙を折るという文化がなく、こういうものは売られてもいません。私は食文化で困ることはなかったので、アメリカに持っていったのはSOYJOYだけだったのですが、周りの友人は白ごはんやカップラーメンなどを持って行っていました。アメリカには日本食などもたくさんあるので、持参しなくても特に困ることはなかったです」(みおさん)
『自由』について感じたこと
「Cambridge Carnival FestivalというAfrican diasporaをお祝いするフェスティバルを訪れたときに、伝統的な衣装をまとい、差別撤廃や民族的な歌をみんなで歌っている姿をみました。移民やディアスポラの人々は、自国に対してとても強い誇りをもっており、その誇りを自由に表現する場があることはすごく大切なことだと感じました。
また、大学の校舎にBlack Lives Matter(ブラック・ライヴズ・マター)という旗が沢山掲げられているなど、アメリカは、多様な文化や考えを尊重し、みなそれぞれの考えを持っていてよい、という個性を認める考え方が浸透しているのが、日本とは違う自由を感じた瞬間でした」(M.Nさん)
ボストンの夜景
今回、アメリカの“今”をルポしてくれた日本女子大学生は……
みおさん
「アメリカの人は自分が言ったことをなんでも肯定的に受け止めてくれました。例えば、自分がこんな勉強をしたいと話をすると、批判する人はなく、いいねなど励ましの言葉をいただきました。日本では『どうやって? 難しくない?』と批判されることも少なくなかったのですが……。現実的すぎる日本人とは違うので、アメリカでは何でも自信を持って話すことが出来ました。アメリカ人のみんな違ってみんないいという雰囲気が私は大好きです。
それと同時に感じたのが、日本人女性の積極性のなさです。アメリカで訪問したマウント・ホリヨーク・カレッジやウェルズリー・カレッジの学生は生き生きとしていました。勉強熱心で、カフェテリアでもパソコンを広げて勉強の話をしています。それも嫌々ではなく自分の専攻に楽しさを感じていることが伝わってくるんです。女子学生が男子学生と対等な関係で話しているのを見て日本の女子大生よりも力強く感じました。日本の大学ではあまり見られないような光景を見ることができ、驚きとともに刺激とやる気を感じることができました。
授業のスタイルも日本と全く違い、少人数授業なので一人ひとりの学生が積極的に授業に取り組んでいます。授業中必ず当てられますし、学生も課題を完璧に理解した上で授業に取り組んでいる様子でした。
日本人の積極性のなさは教育面から来ているのかもしれないと感じ、少しずつでもいいので日本の授業スタイルも変わればよいと感じました。今現在、私の専攻は決まっていないのですが、自分が熱中できる学びに出会いたいと思います。今回のボストンの研修で、私の今後の学びにさらに火が付きました」
M.Nさん
「研修前は、学生のうちにしっかり英語力を身につけることを目標として、日々の勉強や長期留学に向けた準備を行ってきましたが、研修を通して英語を話せるだけでは意味がないと考えるようになりました。きっかけは、協定大学で現地の学生と一緒に宗教学の講義を受けたことです。現地の学生は、教授の話を聞いた上で自分はどう考えるのか、自分自身の考えを歴史や本などから得た知識や経験を用いて、非常に内容の濃いコメントを述べていたのに対し、私は授業の内容は理解できても、自分の中で深い考えを生み出すことができませんでした。
また、宿泊施設で出会った医療関係の仕事をしている人と友達になり、日本とアメリカの医療について話したときも、相手は社会人というのもあり、医療のあるべき姿や問題点についてしっかり自分の考えを持っていたのに対して、私はただ同調することしかできず、自分の知識のなさや普段から社会問題に目を向けていないことを痛感しました。
つまり、ただ英語を話せるというのはスタートラインに立っただけにすぎず、本当に大切なことは、“自分が何を話すか”というクオリティの問題だと気づいたんです。せっかく深い話ができるチャンスを自分の知識や経験不足で機会を逃してしまわないように、英語力を上げるだけでなく、もっと知識や経験を積む必要があると思いました。
現地でコーディネーターを担当してくださったアメリカの方から言われた、”Study abroad changes lives, and changing lives changes the world.”という言葉がとても印象に残っています。私は、この言葉を何事も自分で経験することが自分の可能性を広げることにつながり、その可能性に満ちた人間は、世界を変えられるほど価値があるという意味だと解釈しました。
ある人は、わざわざ海外に行かなくとも、日本で英語力は身につくと言います。確かに英語力は日本で暮らしていても、熱心に勉強すれば十分に身につけることができると思います。しかし、留学で得られるものは英語力だけではないと考えています。自分の慣れ親しんだ土地や、ずっと一緒に暮らしていた親から離れて、知らない地で生活を始めることは、自分の環境適応力や、自立心がいかなるものかを知る機会でもあり、成長させるチャンスでもあります。そして、多くの困難を乗り越え、豊富な経験をしてきた人間の言う言葉は信ぴょう性があり、多くの人を率いるリーダーとなる素質が生まれるのではないでしょうか。
このように、実際に現地で留学をしたからこそ得た知識や経験は、その人にしかない大きな価値のあるものであり、その価値を持った人間は、多くの人間を率いるリーダーとして、世界を変えていくのだと私は考えます。
この研修で出会った多くの人から、人生の生き方は人それぞれでよく、今まで自分の将来を無意識に一般的なフォーマットに当てはめてしまっていたことに気づかされました。
アメリカでは大学卒業後、就職したあとでもその職が合わないと思ったら転職したり、再び大学に入学して勉強しなおしたり、留学に行ったり、年齢にも左右されない、常に貪欲な生き方をしています。今まで漠然と、大学卒業後はすぐ社会人になって働くため、それまでに自分の将来をしっかり考えなければいけないと、焦りを感じていたのですが、その考えがいかに狭いものだったか痛感しました。それぞれ生き方の多様性があるように、私自身も焦らず、固定概念にとらわれずに生きていこうと考えています」
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ボストンの街並み
海外短期研修中のカメラロール見せてください!
みおさんのカメラロール
【pick up!】ボストン・レッドソックスの試合を観戦!
「私は野球観戦が趣味なので、今回研修の中でボストン・レッドソックスの試合を観戦できることを本当に楽しみにしていました。吉田選手の応援ボードを作って日本から持参し、少しでも楽しめるように準備。試合はとても迫力のある乱打戦で、見ていてどちらのチームの選手もとても魅力溢れる試合でした。レッドソックスは負けてしまいましたが、日本の球場とは違う雰囲気や食べ物、応援ソングなどを楽しむことができ私の一生の思い出になりました。
最初は、日本人選手の応援ボードを持っていると差別的な発言をされるのではないかと心配していましたが、いざ球場に行ってみるとみな優しく話しかけてくださったり、日本語で声をかけてくださったり。とても優しい方ばかりだなと嬉しくなりました」(みおさん)
【pick up!】若草物語の著者の家へ
「ボストン近郊のコンコードへ。私の一番と言ってもいいほど好きな本である若草物語の著者 ルイーザ・メイ・オルコットの家を訪れた際の写真です。若草物語は、アメリカの家庭の雰囲気など日本では感じることができない当時の空気が感じられるところが好きです。
当時は男尊女卑の時代で女性の行動が制限されていましたが、オルコットは男性に立ち向かうように女性の教育向上を目指していました。彼女の家を実際に見ることで、女性として強く生きよう、何でもチャレンジして諦めない気持ちを持とう、という自信を持つことができました」(みおさん)
M.Nさんのカメラロール
【pick up!】現地から家族へカードを贈る
「現地で買ったポストカードを家族と祖父母と自分宛に書いて、投函するときの写真です。郵便局のおじさんがすごく親切で、切手を買って投函するところまで送り方を丁寧に教えてくれました。国際郵便なので1.5週間ほどかかりましたが、トラブルなく到着。アメリカから送っているというプレミアがあって、個人的にお気に入りのお土産となりました」(M.Nさん)
現地で感じた文化ギャップ
アメリカのスーパーはテーマパークみたい
「アメリカのスーパーマーケットはどこも本当に大きくて、ドアを開けた瞬間テーマパークに来たような気分になりました。商品も日本のものよりもサイズが大きく、少しだけ買おうとしても大きすぎて買えません。
日本では種類が少ないシリアルも、アメリカでは色々な種類のものがあり、全部買って帰りたいくらい可愛くてカラフルなパッケージのものばかり。ポテトチップスも本当にたくさんの種類があり、驚きとともに全部試してみたい! と友人と一緒に目をキラキラさせ散策しました。CAPE COD(ケープ・コッド)と呼ばれるマサチューセッツ州生まれのポテトチップスが塩加減も抜群でとてもおいしかったです。友人は箱買いしていました。
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特にハマったのはChobani(チョバーニ)というヨーグルト。ギリシャヨーグルトの中に色々な味のシリアルを入れるという商品なのですが、フレーバーがとても豊富で滞在中4回くらいリピートしてしまいました。 Chobani® Flip® Peanut Butter Cupというピーナッツバター味のクッキーにチョコが入っているフレーバーが一番お気に入りです」(みおさん)
燃えるゴミも燃えないゴミも一緒!?
「私が宿泊した施設では燃えるゴミも燃えないゴミもすべて一緒。道端に大量のゴミ袋が積み上げられている光景をみて、日本の町が整備されていることを改めて感じた瞬間でもあります。渡米前は、アメリカはジェンダーフリーや女性の社会進出など多方面で最先端であるというイメージを抱いていたため、州によっても状況は異なるとは思ったものの、ヨーロッパや日本との違いに驚き、少しショックを受けました。
そこで、なぜアメリカは環境への配慮がヨーロッパほど進んでいないのか、現地のホステルで出会ったビジネスマンと話す機会があったときに環境問題について話してみたんです。彼は、アメリカも環境問題にしっかり向き合うために動きつつあるが、色んな文化・宗教をもち自由度が高い分、ごみの分別などの慣習を急に変えていくのはかなり難しい、という意見でした。多文化国家であるがゆえの問題なのだと感じました」(M.Nさん)
積極的にお金を集めるホームレスが多い
「ボストンは比較的整備された街という印象があったのですが、実際に行ってみるとホームレスがとても多い印象でした。日本のホームレスとは違い、子どもたちに自由を! 医療の普及をもっと! などと書かれたプラカードを置き、色々な方法でお金を集めています。ホテルの近くのコンビニでは、とても優しくお店のドアを開けてくださるホームレスの方もいました。ホームレスといっても色々な人がいるのだなと感じました」(みおさん)
服装も時間も働き方もおおらか
「日本とアメリカの学生の服装の差を感じました。私達の大学の学生はスカートを履いたり、大学だからダル着はダメ、化粧もしていかなくちゃなど慣習というものに縛られて学生生活を送っている気がします。その反面、アメリカの学生はある意味自由で服装も特に縛りがないように感じました。型にはまらず、のびのびと自分らしく生活しているように見えます。
また、バスが予定時間に来なかったり、集合時間に来なかったり、アメリカの人は日本人に比べて時間に対しても大胆で大らかだなと感じます。
さらに、店員さんは仕事中に普通に音楽を聞いていたり、ガムを噛んでいたり。日本ではマニュアルがあり、お客様へのおもてなしを大事にするように書かれているので、随分と感覚が違うなと感じました」(みおさん)
海外で役立つモノ・コトはこれ!
「ピカチュウの絵柄がついているスナック菓子を現地の学生にプレゼントしたらとても喜んでくれました。日本のアニメが起用されたプレゼントは喜ばれると思います」(M.Nさん)
「現地の人には折り紙で鶴を折って持っていったら本当に喜んでもらえました。アメリカには紙を折るという文化がなく、こういうものは売られてもいません。私は食文化で困ることはなかったので、アメリカに持っていったのはSOYJOYだけだったのですが、周りの友人は白ごはんやカップラーメンなどを持って行っていました。アメリカには日本食などもたくさんあるので、持参しなくても特に困ることはなかったです」(みおさん)
『自由』について感じたこと
「Cambridge Carnival FestivalというAfrican diasporaをお祝いするフェスティバルを訪れたときに、伝統的な衣装をまとい、差別撤廃や民族的な歌をみんなで歌っている姿をみました。移民やディアスポラの人々は、自国に対してとても強い誇りをもっており、その誇りを自由に表現する場があることはすごく大切なことだと感じました。
また、大学の校舎にBlack Lives Matter(ブラック・ライヴズ・マター)という旗が沢山掲げられているなど、アメリカは、多様な文化や考えを尊重し、みなそれぞれの考えを持っていてよい、という個性を認める考え方が浸透しているのが、日本とは違う自由を感じた瞬間でした」(M.Nさん)
ボストンの夜景
今回、アメリカの“今”をルポしてくれた日本女子大学生は……
みおさん
「アメリカの人は自分が言ったことをなんでも肯定的に受け止めてくれました。例えば、自分がこんな勉強をしたいと話をすると、批判する人はなく、いいねなど励ましの言葉をいただきました。日本では『どうやって? 難しくない?』と批判されることも少なくなかったのですが……。現実的すぎる日本人とは違うので、アメリカでは何でも自信を持って話すことが出来ました。アメリカ人のみんな違ってみんないいという雰囲気が私は大好きです。
それと同時に感じたのが、日本人女性の積極性のなさです。アメリカで訪問したマウント・ホリヨーク・カレッジやウェルズリー・カレッジの学生は生き生きとしていました。勉強熱心で、カフェテリアでもパソコンを広げて勉強の話をしています。それも嫌々ではなく自分の専攻に楽しさを感じていることが伝わってくるんです。女子学生が男子学生と対等な関係で話しているのを見て日本の女子大生よりも力強く感じました。日本の大学ではあまり見られないような光景を見ることができ、驚きとともに刺激とやる気を感じることができました。
授業のスタイルも日本と全く違い、少人数授業なので一人ひとりの学生が積極的に授業に取り組んでいます。授業中必ず当てられますし、学生も課題を完璧に理解した上で授業に取り組んでいる様子でした。
日本人の積極性のなさは教育面から来ているのかもしれないと感じ、少しずつでもいいので日本の授業スタイルも変わればよいと感じました。今現在、私の専攻は決まっていないのですが、自分が熱中できる学びに出会いたいと思います。今回のボストンの研修で、私の今後の学びにさらに火が付きました」
M.Nさん
「研修前は、学生のうちにしっかり英語力を身につけることを目標として、日々の勉強や長期留学に向けた準備を行ってきましたが、研修を通して英語を話せるだけでは意味がないと考えるようになりました。きっかけは、協定大学で現地の学生と一緒に宗教学の講義を受けたことです。現地の学生は、教授の話を聞いた上で自分はどう考えるのか、自分自身の考えを歴史や本などから得た知識や経験を用いて、非常に内容の濃いコメントを述べていたのに対し、私は授業の内容は理解できても、自分の中で深い考えを生み出すことができませんでした。
また、宿泊施設で出会った医療関係の仕事をしている人と友達になり、日本とアメリカの医療について話したときも、相手は社会人というのもあり、医療のあるべき姿や問題点についてしっかり自分の考えを持っていたのに対して、私はただ同調することしかできず、自分の知識のなさや普段から社会問題に目を向けていないことを痛感しました。
つまり、ただ英語を話せるというのはスタートラインに立っただけにすぎず、本当に大切なことは、“自分が何を話すか”というクオリティの問題だと気づいたんです。せっかく深い話ができるチャンスを自分の知識や経験不足で機会を逃してしまわないように、英語力を上げるだけでなく、もっと知識や経験を積む必要があると思いました。
現地でコーディネーターを担当してくださったアメリカの方から言われた、”Study abroad changes lives, and changing lives changes the world.”という言葉がとても印象に残っています。私は、この言葉を何事も自分で経験することが自分の可能性を広げることにつながり、その可能性に満ちた人間は、世界を変えられるほど価値があるという意味だと解釈しました。
ある人は、わざわざ海外に行かなくとも、日本で英語力は身につくと言います。確かに英語力は日本で暮らしていても、熱心に勉強すれば十分に身につけることができると思います。しかし、留学で得られるものは英語力だけではないと考えています。自分の慣れ親しんだ土地や、ずっと一緒に暮らしていた親から離れて、知らない地で生活を始めることは、自分の環境適応力や、自立心がいかなるものかを知る機会でもあり、成長させるチャンスでもあります。そして、多くの困難を乗り越え、豊富な経験をしてきた人間の言う言葉は信ぴょう性があり、多くの人を率いるリーダーとなる素質が生まれるのではないでしょうか。
このように、実際に現地で留学をしたからこそ得た知識や経験は、その人にしかない大きな価値のあるものであり、その価値を持った人間は、多くの人間を率いるリーダーとして、世界を変えていくのだと私は考えます。
この研修で出会った多くの人から、人生の生き方は人それぞれでよく、今まで自分の将来を無意識に一般的なフォーマットに当てはめてしまっていたことに気づかされました。
アメリカでは大学卒業後、就職したあとでもその職が合わないと思ったら転職したり、再び大学に入学して勉強しなおしたり、留学に行ったり、年齢にも左右されない、常に貪欲な生き方をしています。今まで漠然と、大学卒業後はすぐ社会人になって働くため、それまでに自分の将来をしっかり考えなければいけないと、焦りを感じていたのですが、その考えがいかに狭いものだったか痛感しました。それぞれ生き方の多様性があるように、私自身も焦らず、固定概念にとらわれずに生きていこうと考えています」
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