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日本の映画・ドラマ界を支えるいぶし銀!名脇役と呼ばれる俳優たちの共通点とは?

日本タレント名鑑 2015年5月9日 10時55分

水谷豊さんの人気作品『相棒』、2時間ドラマから連続ドラマとなり、次回作からは相棒も4代目、今年で15年目の長寿番組となりました。人気になる作品には主演やヒロイン、敵役だけではなく、ドラマに奥行きを持たせる名脇役が必ず存在します。プレシーズン1話から出演しているライバル刑事役の川原和久さん(53)、プレシーズン2話から監察医・その後は鑑識として出演されている六角精児さん(52)などは、スピンオフ映画が作られるほどの人気になりました。

他にも山西惇さん(52)、神保悟志さん(52)なども印象が強いですよね。『相棒』に限らず、ドラマを支えるバイプレイヤー、名脇役と言われる演技の上手な役者さんが出演されていると、安心してみることができます。

バイプレイヤーは悪役が多い?

元号が平成になったことで一躍時の人となった平泉成さん(70)は、大映ニューフェイスでデビュー。大映倒産後は刑事ドラマや時代劇で悪役をされていました。スター俳優の中村雅俊さんの付き人だった自由劇場の小日向文世さん(61)、舞台やロマンポルノなどに出演されていた大杉漣さん(63)なども、北野武監督映画『ソナチネ』で脚光を浴びました。

テレビでの暴力的なシーンなどが減りつつあった90年代は、逆に映画やVシネマなどでヤクザ物の作品が多く作られていた時代でもあります。アクションや猟奇的なシーンなど、現実ではありえない深い芝居が見られるのはビデオや映画ならではでしょう。同じく北野作品からは、寺島進さん(51)、遠藤憲一さん(53)、なども出ています。無名の方でも重要な役を任せる北野監督の先見の明もありますね。

同監督作品への出演

北野作品常連俳優と同じく、同じ監督やスタッフに演技を見込まれ、長期起用された俳優さんもたくさんいます。『武士の一分』で脚光を浴びた笹野高史さん(66)などは、山田洋次監督作品に数多く出演されています。他にも、大石静作品常連の段田安則さん(58)、本広克行作品、福田雄一作品などに数多く出演されているムロツヨシさん(39)、堤幸彦監督にスカウトされた佐藤二朗さん(46)、三谷監督作品・蜷川作品に出演の多い松重豊さん(52)、岩井俊二監督作品の光石研さん(53)などがいます。

バブル崩壊後には大監督の作品や予算が減ったこともあり、劇団主宰者や脚本家など若手の監督も増え、また安心して起用できる身内劇団員や、劇団系の俳優さんを抜擢し、演技力のある方を使い続ける傾向が強くなったといえるでしょう。

NHKでの長期起用

冒険をしない、良い意味での安定感という点では、NHKや地方局制作の番組で一度採用されるとその後も起用されやすく、着実に実力をつけられる傾向もあるようです。朝ドラの相手役として起用された劇団☆新感線出身の渡辺いっけいさん(52)、エキストラから主役に抜擢され、映画デビュー後の下積みが長かった前出の光石研さんなどはNHKドラマに数多く出演されています。

バラエティ番組に長期起用された親族代表の野間口徹さん(41)、ナイロン100℃の三宅弘城さん(47)なども、民放ドラマでは見ない日がありません。北海道で大人気だったTEAM NACSの安田顕さん(41)、戸次重幸さん(41)も、大泉洋さんの『ハケンの品格』抜擢からひっぱられるように出演作が増え、今となってはなくてはならないバイプレイヤーと言えますが、これも地元で地道に積み上げた実力があってのことでしょう。

ヒット作品の端役からの注目

『相棒』でのスピンオフと同じように、爆発的ヒット作で脇を固めた名脇役は、日本を代表するバイプレイヤーになる傾向があります。

『ショムニ』では、高橋克実さん(54)、ワハハ本舗出身の吹越満さん(50)、『HERO』では前出の小日向文世さん、それまで役者希望ながらも撮影スタッフとして働いていた田中要次さん(51)、『踊る大捜査線』では筧利夫さん(52)、寺島進さん、サンシャインボーイズ出身の甲本雅裕さん(49)など、個性的な俳優さんを輩出しています。

刑事役で活躍中のつかこうへい劇団出身の神尾佑さん、多くの名バイプレイヤーを輩出するザズウ所属の眞島秀和さん(38)なども、とても気になる存在です。

ワンシーンの演技で強い印象を

CMなどの短い演技が心に残り、露出が多くなった俳優さんも多くいます。IBS(過敏性腸症候群)のCMであまりに病弱そうで記憶に刻まれてしまった中村靖日さん(42)、JT(日本たばこ産業)の山中崇さん(37)、みずほ銀行やピザハットなど多数のCMに出演しているとぼけた表情が魅力な矢柴俊博さん(43)、NOVAやモバゲーのCMで話題となった古舘寛治さん(47)などもドラマに絶妙のスパイスを加えてくれています。ロマンスグレーで大人な雰囲気がすてきな小市慢太郎さん(46)も数々のCMに出演されていますね。

こうしてみていくと、名脇役と言われる俳優さんは遅咲きの方が多いようにも思います。しかし「生き残った」ということは、確かな演技力と意思の強さのたまものといえるでしょう。ワンシーン役者と自らを称する笹野高史さんは「どんな役でもその役の一番カッコ良いところを見つけて演じる」とおっしゃっています。セリフの数に関わらず、一つ一つの役と真剣に向き合う名俳優は日本の宝ですね。

文/藤原ゆうこ

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