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ミュージックシーンを席巻する声優アーティスト!その成功の秘訣とは!?【パート3】

日本タレント名鑑 2015年6月6日 10時57分

声優アーティストの音楽性とアイドルユニットブーム

00年代に入ると深夜アニメによる需要の拡大もあり、アイドル声優ブームはさらに加速し、声優の歌手活動も多岐に渡るようになっていく。

パワフルなナンバーが魅力の林原めぐみの路線を継承していく水樹奈々國府田マリ子椎名へきるといったアイドル路線を継承する堀江由衣田村ゆかり。多くの男性声優が甘い歌声でアイドルソングを歌う中、自身の音楽性を全面に出し、ロックなナンバーを歌い上げる谷山紀章。子役時代に培った圧倒的な演技力とキュートなルックスで新時代のアイドル声優となった平野綾もまた、歌唱力を評価され、アーティストとしての活動を続ける中で、自身の音楽性をロックなナンバーに見出していくこととなる。

多くの声優が自身の音楽性を前面に出すことで、個性的なアーティスト活動を続ける中、さらに時代を進み10年代に差し掛かると、AKB48や地下アイドルのブームと連動するようにアイドル声優ユニットによる歌手活動が、大きな流れとなって声優業界に押し寄せてくる。

2009年にはミュージックレインに所属する寿美菜子、高垣彩陽、戸松遥、豊崎愛生のユニット「Sphere」が誕生。寿美菜子、豊崎愛生が『けいおん!』、高垣彩陽、戸松遥が『機動戦士ガンダム00』と立て続けに話題作に出演したことで知名度も上がり、10年代のアイドル声優ユニットブームを牽引することとなる。

アイドル声優ユニットの歌手活動は、さらに拡大を続け、大手レコード会社エイベックスと声優事務所81プロデュースによる「アニソン・ヴォーカルオーディション」が開催され、合格者6名によるユニット「i☆Ris」がデビュー。他にも『アイドルマスター』や『ラブライブ』、『Wake Up Girls!』など、アイドルを題材にしたアニメがヒットし、出演声優がアイドル声優ユニットとして活動するなど、若手声優の歌手活動はアイドル的な活動へとシフトしてきている。

一方で男性アイドル声優ユニットも『うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVE1000%』から誕生した寺島拓篤、鈴村健一らが所属する「ST☆RISH」が女性ファンから圧倒的な支持を集めるなど、80年代から受け継がれる男性アイドル声優ユニットのスタイルが継続して受け入れられており、女性アイドル声優ユニットほどではないにせよ、新たな男性アイドル声優ユニットも次々と誕生している。

こうして年代別に声優の歌手活動を振り返ってみると、声優という職業柄、作品とのタイアップや連動は成功の大きな秘訣である。また、90年代に大月氏が林原を見出したように、歌手としての才能を持った声優をプロデュースしていくバックアップ体制も成功の秘訣と言えるであろう。

近年に関して考えると、音楽性を持った声優が自身の努力や周囲のサポートを受けて、歌手活動に個性を見出し成功した例がある一方で、AKB48や地下アイドルブームの影響下にあるアイドル声優ユニットがアーティストとして成功するためには、話題作への出演や大手レコード会社とのタイアップといった話題作り、ルックスやダンスに衣装、本人たちの個性といったアイドル性が成功に必要な要素と言えよう。

2015年現在もアイドル声優ユニットブームが続く中、「Sphere」でアイドル声優ユニットブームを牽引してきたミュージックレインが送り出す次なるユニット「TrySail」(雨宮天、麻倉もも、夏川椎菜)の活躍から、今後の声優アーティストの活動がどのように変化していくのかが見えてくるかもしれない。

文/東藤七瀬

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