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“月9”の影響力に変化有り!?街からОLを消した伝説のドラマ枠の過去と未来【パート2】

日本タレント名鑑 2015年7月30日 11時56分

(“月9”の影響力に変化有り!?街からОLを消した伝説のドラマ枠の過去と未来【パート1】の続きです。)

頑張る人を応援したい

バブル崩壊後は、安田成美さん中森明菜さん主演の愛と友情の物語『素顔のままで』(最高31.9%)や、親を亡くした兄弟たちが困難に立ち向かいながら支え合って生きる『ひとつ屋根の下』などがヒットしました。

『素顔のままで』は、主題歌『君がいるだけで』も大ヒットしましたね。病気や夢、妊娠出産など女性の直面する問題を乗り越え夢を叶えようとする二人を応援することで、自分も元気になるようでした。『ひとつ屋根の下』は、月9最高視聴率37.8%をマーク。トレンディさとはかけ離れた、泥臭い感動ストーリーでした。

また、最高視聴率は18.7%でしたが、稲垣吾郎さんが初のアウトロー役を演じ、牧瀬里穂さんが帰国子女の奔放なヒロインを演じた『二十歳の約束』なども印象深く、応援したくなる作品だったのではないでしょうか。牧瀬さんの「順平君、ヒューヒューだよ!」という伝説のセリフは忘れられません。佐野元春さんの『約束の橋』も大ヒットしました。

若手の起用も盛んに

バブルがはじけきって氷河期に突入した1993年。『同・級・生』『東京ラブストーリー』に続き3回目の原作起用となった、柴門ふみさんの『あすなろ白書』 (最高31.9%)がヒットします。これまで月9は同じ俳優さんを安定して起用し続ける傾向にありましたが、この頃は経費節減のためか、若手俳優の起用が 目立ち始めます。『あすなろ白書』で主演を演じたのは『二十歳の約束』で重要な役を演じた筒井道隆さんと、朝ドラで大人気となった石田ひかりさん。そして メインメンバーには、後に月9を牽引する、当時20歳の木村拓哉さん、デビュー2年目の西島秀俊さんなども出演されています。

その後は、江口洋介さんや福山雅治さん和久井映見さんなど、それまでサブを務めた演技派俳優さんたちが主演をつとめ、20%前後の高視聴率をキープしながら、月9伝説を確固たるものとしていきます。

年下男とサバサバ女全盛期

携帯電話も一般的になった1996年。視聴した番組や内容を共有し、語り合う事も多くなりました。そんな時代背景の中でヒットしたのが、「月曜9時はОLが街から消える」と言わしめた『ロングバケーション』(最高36.7%)です。サバサバしていて明るく少し抜けている、今でいうツンデレ気味でドジっ子でお茶目な、山口智子さん演じるモデルの南と、思慮深く控えめだけど芯はしっかりした、木村拓哉さん演じるピアニストの瀬名の、成り行きの同居から友情へ、友情から愛へと変わっていく心の移り変わりに、もう目が離せませんでした。山口さんと木村さん、そしてロンバケに出演されていた稲森いずみさん、広末涼子さん、松たか子さん、竹野内豊さん。皆、どんどんメインへと起用されていきます。

ネット時代の到来と刑事ドラマブーム。月9冒険期へ

iMacの大ブームなどで、ネット人口が飛躍的に増えた1998年~2000年。田村正和さん主演で松たか子さんとの義理の親子の愛を描いた『じんべえ』、鑑別所に収監された少女と職員の愛物語『リップスティック』、ミステリーの『氷の世界』など、これまでの月9とはだいぶ違った冒険的な作品もたくさん放送されましたが、やはり人気はラブコメディ。久々の視聴率30%越えは、CAと魚屋さんの恋を描く『やまとなでしこ』でした。打算的でありつつもかわいらしくもあり、素顔は気が強くまっすぐな、松嶋菜々子さん演じる桜子は男女ともに人気がありました。

HERO登場!ネット時代の到来による視聴率低下・・・

そして、『やまとなでしこ』の後番組として放送されたのが、あの怪物番組『HERO』(2001年)です。なんと全話30%越えの偉業を達成。その後、マンガ原作の『アンティーク ~西洋骨董洋菓子店~』、独身男性の子育てコメディ『人にやさしく』、刑事モノのサスペンス『空から降る一億の星』、逆ハーレム好きにはたまらない4人兄弟とワケアリ女性のドタバタコメディ『ランチの女王』、素人をヒロインに起用するという冒険に出た『ビギナー』、韓流ドラマ人気から韓国人と日本人の恋愛を描いた『東京湾景~Destiny of Love~』、マンガ的表現も目立った2006年『のだめカンタービレ』、タイムスリップして好きな人とやり直す2007年『プロポーズ大作戦』、天才物理学者と美人刑事のコンビの掛け合いが楽しい『ガリレオ』、本格刑事ドラマ『東京DOGS』と、斬新で見ごたえのあるドラマが続々と続きます。

ネットやゲームなど、趣味が多様化してきた21世紀。以前ほどの爆発的な視聴率はとれていませんが、人気の作品は何度も再放送され、映画版や続編、スペシャル版などもつくられています。『プロポーズ大作戦』でのプロポーズの言葉は、現在も定番・あこがれのセリフとして人気です。また、2006年の『西遊記』などは、香取慎吾さんの怪演や話題性もあり、最高視聴率29.2%をマークしています。

テレビを見る世代が高年齢者中心となり、視聴率だけではその人気が計れなくなってきている昨今、新月9ドラマ『恋仲』は、特にテレビ離れの激しい若い層をターゲットにした作品といえます。定番の恋愛物、若年恋愛物映画で評価の高い福士蒼汰さんと本田翼さんという最強タッグ。これからの月9、そして日本ドラマ界にどんな影響を与えてくれるのか、今後の展開がとても楽しみです。

文/藤原ゆうこ

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