つらい時、行き詰まった時にはどうしていますか?身近な先輩や家族に声をかけられても「わかってるよ」「正論だけどさ」と、ついつい反発してしまうこともあるのではないでしょうか?そんな時、意外と胸に刺さるのは、テレビや映画で活躍している俳優・女優の名言だったりします。私たちは彼らが輝く姿を知っています。輝くためにどんな経歴を送ってきたのかも、ネットや書籍で知ることができます。
人生の本筋を教えてくれる名言
「模写って大事で、俳優もいい芝居を見て真似ていくうちに、それが自分のものになっていく」(市村正親さん)
何かを始めるとき、最初は“物真似”でいいんですよね。画家の修行も模写からですし、仕事もすべてそうです。人生においても、あこがれの方や尊敬する方の真似をするのは必要です。人助けをしている人を見て「見習おう」と思う。すべてにおいて、「いいものを模写する」ことから始まるのかもしれません。
「余計なこと、いらないことを考えるって結構大切」(佐々木蔵之介さん)
「甘い」演技をする前に「苦い」演技も考えるそうです。いろいろな経験を積むことで、「甘い」演技にも深みが出ると佐々木さん。これはどんなことにも当てはまりますよね。身近なことで言えば、物を選ぶときに、色々探して「最初のコレ」と思った場合と、適当に買った場合では、やはり物に対する思い入れが違います。探したことで視野が広がり、考えることもできます。無駄に感じるかもしれませんが、その経験があったからこそ、次にすばやく正確な選択ができるようになるのでしょう。
「人生は味わい深い旅をすることが目的で,どこに向かっているのかが問題じゃない」(キャメロン・ディアスさん)
最近は若い方も先のことばかりを不安に思い、冒険心が薄れていると聞きます。変に悩まずに楽しく充実した人生を送りたいですね。
仕事・将来に対する心構え
「どんな仕事でもそうだけど、『料金以上に価値があった』と、お金を出してくれる人に思ってもらわないとダメです」(筒井道隆さん)
実力派俳優の筒井さんらしい責任感をもった「プロ論」発言です。アルバイトだろうとプロだろうと、懸命に価値ある仕事をしていけば、必然的に「価値のある人間」になれるはずです。
「挫折しないためにはやり続けること」(哀川翔さん)
「人間には失敗する権利だってある」(桃井かおりさん)
「新しい事を始める時はいつだって勇気がいります。不安はもちろんありますし、挫折や困難も待っていると思います。でもそれ以上に強くなりたい、成長したい、乗り越えた先の景色を見たい。一歩踏み出すことが楽しみな自分がいます。(略)今はただ、目の前のことをひとつひとつやるだけ」(里田まいさん)
最初から失敗しない人などいません。失敗を繰り返して、成長するのが人間ですよね。諦めたらそこが挫折。シンプルなことですが心にしみます。失敗することは怖いけれど、頑張った先にしか輝く未来はないのですね。
人生を明るくする名言
「ウチのダンナって本当にいいことを言うんですよ。『死にたいくらいの気持ちで生きていけばいいじゃないか』って」(和田アキ子さん)
「自分がこうしている間にも、違う場所で一生懸命生きている人がいる。そう思うだけで前向きになれる」(小池栄子さん)
とてもつらいことがあった際に、和田さんに旦那さんがかけた言葉。本当に素晴らしいですね。「いいじゃないか」とサラっと言ってくれるあたり、いい男が側にいてくれてうらやましいです。グラビアから実力派女優へとステップアップした小池さん。地球全体の人を考えた大きな視野と大きな心、大きな優しさを感じます。小池さんの人としてのスケールの大きさが伝わってきます。
自分らしく、でも人には優しく
「いい風に吹かれたいですよ。きつい風ばかりに吹かれていると、人に優しくなれない」
「拍手されるより、拍手する方が心が豊かになる」(高倉健さん)
「魅力的な唇のためには、優しい言葉を紡ぐこと。愛らしい瞳のためには、人々の素晴らしさを見つけること」(オードリー・ヘプバーンさん)
いじめに遭っている人が、いじめをする側になり、虐待される子が、虐待する親になる。不幸の連鎖は社会問題にもなっています。「情けは人のためならず」、人のためにしたことはいずれ自分に返ってきます。つらいことがあっても、誠実に生きていきたいですね。
トラブルにも負けず、楽しく生きている田辺誠一さんのエッセイ『眠らない羊』の帯に書かれたキャッチコピー「事実は小説よりもアイボリー」。オヤジギャグですが、悲しいことも明るく楽しくする、つらいことがあっても「あぁ、びっくりしたー。アイボリーだわ―」と軽く済ませることができます。田辺さんは、結婚の際も「夫にも父親にもしてもらえて幸せ」という名言も残されています。人の心をほぐしてくれる素晴らしい人柄が伝わってきますね。
この他にも俳優・女優ならではの心に響く名言がたくさんあります。人生に迷った時、悲しみで前が見えない時、答えを探して迷走してしまう時、道標となる言葉がその中に見つかるかもしれません。全ての言葉に反発するのではなく、言葉の意味を素直に受け止める事も、時には必要なのかもしれませんね。
文/藤原ゆうこ