学園ドラマといえば、昔から新人俳優、女優がブレイクするための登竜門。『3年B組金八先生』(TBS系)や『ごくせん』(日本テレビ系)など多くのスターを生み出していることで有名です。最近では、ドラマや映画で人気上昇中の山崎賢人さん、菅田将暉さん、土屋太鳳さんらも以前は学園ドラマの生徒役の一人として出演していました。
『まれ』の夫婦役・土屋太鳳&山崎賢人の初共演は4年前の学園ドラマでのクラスメイト
2012年に放送された榮倉奈々さんが教師役で主演したドラマ『黒の女教師』(TBS系)には、のちにNHK連続テレビ小説『まれ』で夫婦役を演じた土屋太鳳さん(松本栞役)と山崎賢人さん(安田俊介役)が生徒役で出演していました。映画『orange』でも共演した二人は、この作品が初共演作です。本作キャストには、千葉雄大さん、広瀬アリスさん、藤原令子さん、中条あやみさんら、今注目の若手がずらりと並びます。
土屋さんはその前には、2011年放送、長谷川博己さん主演のドラマ『鈴木先生』(テレビ東京系)にも鈴木が担任するクラスの生徒・小川蘇美役で出演。特に2013年に公開された映画版では、ストーリーのメインの生徒役となり、風間俊介さん演じる勝野ユウジに人質として監禁される展開には衝撃を与えられました。この『鈴木先生』には映画『ちはやふる 下の句』での活躍も記憶に新しい松岡茉優さんも生徒・堀の内七海役で出演しています。
山崎さん、菅田さんはじめ今旬の俳優、女優が多数出演していた伝説のドラマ『35歳の高校生』
山崎さんは、米倉涼子さん扮する35歳の女性が高校生になるという設定の『35歳の高校生』(日本テレビ系、2013年放送)にも生徒役で出演。演じた阿久津涼は、いつも白い大きなヘッドフォンで音楽を聴いていてクラスの動きに“我関せず”という態度を見せながら、裏でクラスを牛耳っているというミステリアスな役柄でした。
この『35歳の高校生』、今旬の俳優、女優が多数出演していたことで“伝説のドラマ”といわれます。クラスのリーダー格で、米倉さん演じる馬場亜矢子を目の敵にする土屋正光役で菅田将暉さんが出演。ほか野村周平さん、新川優愛さん、高杉真宙さん、森川葵さん、広瀬アリスさん、藤原令子さん、宮崎香蓮さんらが生徒役で出演。また亜矢子の少女時代役で松岡茉優さんも出演しています。
『GTO』は若手俳優の登竜門
多くの人気俳優、女優を生み出した学園ドラマでは外せないのは『GTO』(関西テレビ、フジテレビ系)。反町隆史さんが鬼塚を演じた1998年放送の第一シリーズでは、小栗旬さんや窪塚洋介さんらが生徒役として出演していましたが、EXILE・AKIRAさんが鬼塚となり、2012年に復活した連続ドラマの生徒役では、女性では、川口春奈さん、西内まりやさん、新川優愛さん、宮崎香蓮さん、男性では、野村周平さん、中川大志さんらが出演。
その続編として放送された2014年版では、松岡茉優さんがメインの女子生徒で、ボーイフレンドとの子を身ごもる志条あゆな役で出演。その演技力を見せつけ、彼女にとって女優としての評価を上げる作品となりました。ほか、Seventeenの人気モデルで女優としても注目度上昇中の三吉彩花さん、松井愛莉さん、岡本夏美さん、のちにNHK連続テレビ小説『あさが来た』の千代役で注目される小芝風花さん、モデルやグラビアでも人気の久松郁実さんらが顔をそろえています。
未来の人気俳優を育てるには学園ドラマは貴重な存在
2011年~2014年ごろに放送された学園ドラマでは、山崎賢人さん、松岡茉優さん、藤原令子さん、新川優愛さん、宮崎香蓮さんなど、同じ時期に生徒役としての複数回登板している人もいます。上記で紹介したドラマは、放送時には必ずしもヒットしたとは言えない作品もありますが、特に山崎さんや松岡さんのように現在メイン級の役を演じる役者が生まれていることでは、大きな役割を果たしているといえます。
現在は学園ドラマは減っていると言われますが、今こそその活性化が期待されます。以前このコーナーで紹介した『痛快TV スカッとジャパン』内の“胸キュン スカッと”の再現ドラマも、そうした若手の登竜門的役割を担っています。
最近ではドラマ『表参道高校合唱部』(TBS系)で、主演の芳根京子さんはじめ、志尊淳さん、吉本実憂さん、森川葵さん、堀井新太さん、高杉真宙さんらフレッシュキャストが多数出演。このメンバーに加え、岡本夏美さん、映画『俺物語!!』でヒロイン役を演じた永野芽郁さん、ドラマ『マネーの天使~あなたのお金、取り戻します!』にしっかり者の女子高生役で出演、『表参道高校~』にも出演していた葵わかなさん、そして映画『セーラー服と機関銃』主演など女優活動も活発な橋本環奈さんあたりが、今学園ドラマが始まれば、メイン生徒役候補になるのでしょうか。新作の学園ドラマの登場に期待したいものです。
文/田中裕幸