現在NHK連続テレビ小説『半分、青い。』のヒロイン・永野芽郁さん、2年前には大河ドラマ『真田丸』に出演、千姫役で注目されました。また『ひよっこ』のヒロイン・有村架純さんは女優としてブレイクしたきっかけが、2013年の朝ドラ『あまちゃん』でした。このように朝ドラヒロインに、NHKドラマで注目を集めた人が満を持して抜擢されるケースが最近目立ちます。今回の『半分、青い。』の出演者の中にも、もしかしたら未来の朝ドラヒロインを務めるのでは、という顔ぶれが見られます。
■80年代の制服姿が似合った鈴愛の親友は23歳の福岡っ子
永野芽郁さんは『真田丸』に出演する前から、映画『俺物語‼︎』(2015年)、主演ドラマ『こえ恋』(2016年)など主に若者向けの作品にメインキャストとして出演し、“期待の若手女優”として注目されつつありましたが、幅広い年齢層の人に知られるようになったのは、やはり大河ドラマ出演が大きかったと思われます。
そんな永野さんが『半分、青い。』で演じるヒロイン・鈴愛の友人・菜生役として注目度が急上昇しているのが女優・奈緒さん。地元・岐阜での高校生時代、80年代の制服姿の女子高生役が、童顔ということもありハマっていましたが、実は奈緒さんは現在23歳。ヒロインの永野さんよりも5学年年上です。
奈緒さんはもともと地元・福岡でスカウトされモデルとして活動を開始。数多くのCMに出演するとともに、ドラマにも出演していましたが、2016年に脚本家・野島伸司氏が総合監修を務める俳優養成学校に入学、本格的に女優への道を歩み始めます。
そして野島氏脚本作品など数本のドラマに出演。朝ドラでは、福岡時代に受けた『まれ』(2015年)、『わろてんか』(2017年~)に続き、今回3度目のオーディションに挑戦。惜しくもヒロインには選ばれませんでしたが、親友役での出演となりました。
今回の作品で一気に知名度を上げた奈緒さん。『めざましテレビ』のインタビューでも「楽しくやれてるな~」と、朝ドラの撮影が充実していることを話していました。『あさが来た』(2016年)のヒロイン・波瑠さんは4度目の朝ドラオーディションでヒロインの座を射止めたというケースもありますが、奈緒さんの“4度目の正直”にも期待したいところです。
■朝ドラでは珍しい“魔性の女”⁉︎ 未来のヒロイン本命・古畑星夏さん
ヒロインが通う高校に試合に訪れた他校の弓道部の選手・伊藤清(さや)役の古畑星夏さん。校内でふとしたことから律(佐藤健)と出会い、律にとっては気になる存在の美少女となりました。高校時代の出演はごくわずかでしたが、大学で上京後に律と再会。律と急接近していくといいます。高校時代の清楚な雰囲気からは想像できない“魔性の女”的な要素もあるとのことで、再登場が今から楽しみです。
古畑さんはもともと2009年、少女向けファッション誌『ニコラ』のモデルオーディションでグランプリを獲得したことをきっかけにデビュー。その後『Seventeen』のモデルを経て、現在は『ViVi』のモデルを務めています。
女優としてもドラマ『パパドル!』(2012年、TBS系)を皮切りに、多くのドラマ、映画に出演、2016年ドラマ『時をかける少女』(日本テレビ系)に出演したころから注目され始め、2017年には映画『人狼ゲーム ラヴァーズ』で初主演。そして映画『東京喰種』、『銀魂』、『一週間フレンズ』、ドラマ『コード・ブルー-ドクターヘリ緊急救命-』(フジテレビ系)、『コウノドリ』(TBS系)など出演作が相次ぎ、まさに“ブレイク前夜”という状況です。未来の朝ドラヒロインの本命候補といえるでしょう。
「今までの朝ドラに出てこなかったタイプの”魔性の女”登場で、朝ドラの概念をひっくり返せる存在になれれば」と意気込みのコメントをしている古畑さんです。
■アシスタントの同僚役の清野菜名さん、“ウラ”の昼帯に続いて朝ドラのヒロインに期待
そして“大穴”といっては失礼かもしれませんが、もう一人のヒロイン候補が、漫画家・秋風羽織(豊川悦司)のアシスタントで鈴愛の同僚・ 裕子役の清野菜名さん。
清野さんはもともとティーン向けファッション誌『ピチレモン』のモデルオーディションでグランプリに輝き、モデルとしてデビュー。2014年公開の映画『TOKYO TRIBE』のオーディションで園子温監督の目にとまり、ヒロインに抜擢され、翌年公開の映画『東京無国籍少女』で映画初主演し、女優として頭角を現し始めました。
その後は映画『雨女』『TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ』『パーフェクト・レボリューション』、ドラマ『素敵な選TAXI』(フジテレビ系)、『コウノドリ』(TBS系)などに出演。また朝ドラでは『まれ』スピンオフ・後編『一子の恋~洋一郎25年目の決断~』に出演しています。
これらの実績とキャリア、そして、すでに朝ドラ(再放送)のウラの帯ドラマ『トットちゃん!』(テレビ朝日系、2017年)で主演をしていることもあり、ヒロインは“いまさら⁉︎”というイメージもあるかもしれませんが、実績のある女優がヒロインを務めるケースもあり、満を持して朝ドラ登板も楽しみです。年齢はまだ23歳。前述の奈緒さんとは同学年です。
今回挙げた3人がいずれもモデルからキャリアをスタートしているのも面白いところ。これは今に始まった傾向ではありませんが、今も人気女優へのステップへの一つの道といえそうです。
ほかにも朝ドラ『べっぴんさん』をはじめ多くのNHKドラマに出演し“NHKの秘蔵っ子”と言われる久保田紗友さん、朝ドラ『とと姉ちゃん』でヒロインの妹役で出演した相楽樹さんなど、“ヒロイン有力候補”はまだまだいます。今後の朝ドラヒロインの発表が楽しみでなりません。
文/田中裕幸