アイドルグループ「SUPER☆GiRLS」の中心メンバー・浅川梨奈(なな)さんの主演映画『トウキョウ・リビングデッド・アイドル』が6月に公開されます。浅川さんといえば、グループ活動のほか、“1000年に一度の童顔巨乳”のキャッチフレーズでグラビアでも大人気ですが、今回は彼女の女優活動への取り組みに絞って紹介していきたいと思います。
■女優デビュー当時から真摯に役に向き合う
SUPER☆GiRLSのメンバーとしてアイドルとして活躍する一方、グラビアでも大人気。今年の『カバーガール大賞』にて「コミック雑誌部門」で2年連続で1位、「10代部門」でも1位を獲得するという、今10代の女性タレントで最も多くの雑誌で表紙を飾る存在となっています。そんな彼女だけに、女優活動については“アイドルがその人気に乗っかってやってる”イメージで見る人もいるかもしれませんが、実際の彼女は演技に対してとても貪欲で、プロ意識が高く、演技力も作品ごとに成長を見せています。
浅川さんは2016年に公開された映画『14の夜』で本格的に女優活動を開始。セクシーなヤンキー少女役を迫力いっぱいの演技で見せ、特に凄みのある声での「やれよ!揉めよ!」の大胆セリフは大きなインパクトを与えました。
2017年にはドラマ & 映画『咲 -Saki-』ではメインキャストの一人、原村和(のどか)役を演じ話題に。続いて映画『人狼ゲーム マッドランド』で初主演。極限まで追い詰められる女子高生を演じたこの映画の初日舞台挨拶では「『本気で死にたくない』『本気で生きたい』と、必死になって作り上げた作品」と、作品に込めた強い思いを明かしていたのが印象的でした。
一方ドラマでも活躍。昨年メインゲストで出演した『さくらの親子丼』(東海テレビ/フジテレビ系)では、シングルマザー役を体当たりで演じ、その切迫感や弱さ、辛い環境の中もがきながら生きる姿を見事に表現していました。
■最新の主演映画ではアイドル役を演じるも「役と浅川梨奈が被らないように」
そして今回公開される主演映画『トウキョウ・リビングデッド・アイドル』は、
“アイドルが主人公であるゾンビ映画”。浅川さん演じる人気アイドルが、ある日、ゾンビに噛まれてしまい、強制収容される前に逃亡。ゾンビ化するタイムリミット72時間以内にゾンビ血清を探し出すため奔走する…というユニークな内容となっています。
初めて自身と同じ立場の人気アイドル役を演じることになった浅川さんですが、「演じる主人公の神谷ミクと浅川梨奈が被らないように意識しました」と語っていました。これには「スクリーンで動いている人間が普段の浅川梨奈に思われないように」という思いからですが、この作品に限らず、役作りにさまざまなこだわりを持って取り組む彼女です。
女優デビューした頃には「正直、役作りって何?」っていう感じだったといい、「昔の作品を見ると『もっとこうしておけばよかった』と思うこともあります」と語っていましたが、これまでさまざまな作品を経験してきたことで、芝居についていろんなことを考える楽しさや面白さを身につけていったといいます。
そして自分なりの役の作り方を模索していく中で、少しずつそれが固まってきたときに出合ったのが、今回の『トウキョウ・リビングデッド・アイドル』でした。この作品で「初めてちゃんと役作りができたのかも」と語り、演じた主人公・ミクについて、実際に台本に書かれている内容だけでなく、書かれていないところの出来事や内面まで、自分の中で考えていって撮影に臨んだといいます。
■演技についても女優としての向上についても貪欲 “古き強き女優”⁉
現在はSUPER☆GiRLSの中心メンバーとして活躍する浅川さんですが、アイドルとしてトップを極めたいという気持ちよりも、あくまでも女優として成功したいという思いのほうが強いようです。「今一番楽しいと思えるのがお芝居をやらせてもらっているとき」ときっぱりと語ります。
そして常にグループを抜けた時のことを考えながら活動しているといいます。「そのためにはグループに在籍している今が大事だと思っています」と、演技力を磨くことはもちろん、仕事への取り組む姿勢についても、ストイックに臨む浅川さんです。
最近の若手女優では、わりと淡々とした佇まいで、女優としての向上心を表に出す人はそれほど多くありませんが、浅川さんの場合、演技についての熱い思いや、女優としての向上心も表に出す、いい意味でひと昔前の女優的なところがあるなと、筆者がインタビューさせてもらった時に感じました。
今はやはり、「アイドル」「グラビア」の印象が強い彼女ですが、そんな浅川さんの「女優」の部分もぜひ注目してみてください。
文/田中裕幸