今年で9年目を迎え、今やアイドルファン以外の人にも有名になったイベント「」(TIF)をはじめ、数多くのアイドルが一堂に会する夏のアイドル・フェスのシーズンが今年も始まります。ここではTIFをはじめ、三大フェスといわれる「」「」を中心に、アイドルフェスの特色や見どころを紹介していきたいと思います。
■今年で9年目 多くのアイドルたちが憧れる老舗的フェス「TIF」
今や規模の大小を含めると、数えきれないほど開催されているアイドルフェス。夏は特にそれが集中するシーズンとなります。
これらのアイドルフェス、TIFのような大規模なものでは、AKB48グループや坂道グループ、ハロー!プロジェクト、スターダスト系(ももいろクローバーZなど)といった人気グループを一つのイベントで観られる楽しさがあったり、その一方で自分が知らなかったグループを、推しのグループのライブの合間にステージを観ることで惹かれることもあり、新たにお気に入りのアイドルグループがみつけられるのもこういったフェスの醍醐味です。
またライブだけでなく、物販コーナーも設置され、そこで行われる特典会を通じてアイドルたちとの交流を楽しめるのもフェスの楽しさ。推しのグループのメンバーはもちろん、普段はイベントに足を運ぶほどファンではないグループのメンバーとも会話するチャンスです。会場内を歩いていると、移動するアイドルたちが行き来する姿を間近で見られるのも楽しいところです。
そのアイドルフェスの中でも、先駆け的な存在が2010年にスタートした「TOKYO IDOL FESTIVAL」。日本最大級の規模を誇り、昨年は233組が参加しました。今年も8月3日〜5日の3日間開催されます。
TIFでは、特にメジャーなグループが多数参加。AKB48グループからは、今年もSKE48、HKT48、NGT48、STU48、さらにタイを拠点としたBNK48も初参加します。ちなみに同イベントのチェアマンを、昨年に引き続き、指原莉乃さん(HKT48)が務めます。
またハロー!プロジェクトからは、昨年日本レコード大賞 最優秀新人賞のつばきファクトリー、そして、こぶしファクトリーの出演が決まっています。
フジテレビ湾岸スタジオを拠点にした広大な会場の中、10カ所以上でライブを展開。特にスタジオ前の広場の野外ステージや、スタジオ屋上のステージでのライブは夏の空気をいっぱいに感じられる中でフレッシュなライブを見られ人気となっています。
その歴史の長さや実績から、新人グループや無名の地下アイドルにとってはTIFに出場することが一つのステイタスになっており、そういったグループを対象とし、TIF出場権をかけたオーディション企画も行なっています。そこから生まれる新人アイドルをいち早くチェックし、“見つけた”感を味わえるのも楽しいところです。
そして、今年は初の試みとして、大型の音楽フェスSUMMER SONIC(通称サマソニ)とのコラボレーションも実施。「サマソニ×TIF@台場」 と、 「サマソニ×TIF@幕張 IDOL SONIC」 の相互にステージを設けるとのことです。
■オール野外ライブで爽快感のあるステージ “アイドルの夏”の始まりを告げる「アイドル横丁」
大規模アイドルフェスの中でも例年最も早い時期に開催、“フェスの夏”の開幕を告げるのが「アイドル横丁夏まつり‼」。今年も7月6日、7日に横浜・赤レンガパークの特設会場で実施されます。
この“アイドル横丁”、例年すべて屋外ステージで、開放感のあるライブが特徴的です。出演アイドルも回を重ねるごとに豪華になり、今年はAKB48チーム8、ラストアイドルファミリー、でんぱ組.incらが出演します。
また音楽ライブのステージ以外に例年恒例の人気コンテンツ「つりぼり横丁」「グラドル横丁」も実施。“つりぼり”ではファンがアイドルたちとより近くで交流でき、“グラドル”では、多くの人気グラビアアイドルたちが登場。これは“アイドル横丁”ならではのものです。
■1日限定のコラボ企画やスペシャルライブにも注目「@JAM EXPO」
一方、横浜アリーナにて、会場内に大小さまざまな屋内ステージを設けておくるのが「@ JAM EXPO」。2014年からスタートし、今年で5回目。昨年は181組が出演しました。今年は8月25日、26日の2日間、同会場で実施されます。
この@ JAMの見どころは、なんといっても、コラボ企画の面白さ。事務所の垣根を超え、さまざまなグループから選抜されたメンバーたちによるイベント限定のグループが結成され、オリジナルの楽曲まで制作。今年も「虹のコンキスタドール」鶴見萌さん、「愛乙女☆DOLL 」安藤笑さん、「マジカル・パンチライン」沖口優奈さんによる期間限定ユニット 「MEY」が誕生します。
この「MEY」は、今年の「TIF」や「アイドル横丁」にも出演するとのことですが、こういった形で近年、各イベント間の交流も見られます。今後も三大イベントをはじめ、イベント間での交流が進むと、さらにユニークなコラボ、ダイナミックな企画も登場しそうで楽しみです。
また「@ JAM EXPO」では昨年、アイドル界でレジェンド的存在の仙台発アイドル「Dorothy Little Happy」(2015年にメンバー3名が卒業、その後1名も卒業し現在はメンバー1名に)が一日限りで5人組として復活。そのステージは同イベント一の盛り上がりとなりましたが、こうしたほかでは見られないスペシャルなライブも@ JAMの見どころです。さらに、これまでの例だと、アイドル運動会や、アイドル、クリエイターらによるトークのステージなど、ライブ以外の催しも活発です。
「@ JAM EXPO」はまだ開催まで2ヶ月あるので、これから人気グループの出演が続々発表されると思います。昨年はNGT48やJuice=Juiceら人気アイドルが出演しています。
これらのアイドルフェス、まだまだ新着の出演情報、コラボ企画情報などがこれから公開される分もあると思いますので、各フェスの公式ホームページをチェックしてみておきたいところです。
“アイドル戦国時代”と呼ばれるようになって約10年。そのムーブメントは「落ち着きを見せつつある」「過渡期にある」と言われることもありますが、こういったフェスの会場にいると、まだまだブームは終わらないという熱気を感じさせられます。さまざまな楽しみがあるアイドルフェス、アイドルファン以外の人も一度のぞいてみると思ってもみなかった出会いに恵まれるかもしれません。
文/田中裕幸