先日、大手モデルプロのスペースクラフトとハロー!プロジェクトを擁するアップフロントグループが合同で女子大生ユニット「カレッジ・コスモス」をプロデュースする記者発表を実施しました。
また今年4月には新垣結衣さんらが所属するレプロエンタテインメントが女子大生部門「CAMPUS ROOM」を発足させました。
このように大手芸能プロでは、最近“女子大生”を扱うプロジェクトに力を入れる傾向にあるようですが、何度目かの“女子大生ブーム”は訪れるのか、注目されています。
■情報番組で活躍する女子大生育成がメイン アイドルグループ活動も
現役女子大生25名で結成されたアイドルグループ「カレッジ・コスモス」は、大学ミスコン出身者たちのタレント集団「キャンパスクイーン」が所属するスペースクラフトグループと、ハロー!プロジェクトを擁するアップフロントグループの共同プロジェクトとして誕生しました。メンバーは、キャンパスクイーンの選抜メンバーのほか、アップフロントグループからは、現役慶應大学生のカントリー・ガールズ 山木梨沙さんも加入。『言葉の水を濾過したい』というオリジナル曲も制作されました。山木さんは記者会見で「全員が女子大生ということで、大学と両立しながらアイドル活動していきます。大学で得た経験を生かして、知性派のアイドルユニットとして活躍していけたら」と意気込んでいました。
またミスコンタイトルホルダーが多数在籍するキャンパスクイーンのメンバーは、このアイドル活動以外では、情報番組を中心に活躍。ドラマに出演している人もいます。
レプロエンタテインメントが設立した現役女子大生部門「CAMPUS ROOM」は、全国の大学に在学中の現役の女子大生が所属する部門となり、 今年4月に10名の在籍で始動しました。同部門は、フリーアナウンサー/キャスター・リポーターとしての活動を中心に、“自己発信力”で活躍し、日々進化するメディア・コンテンツに適応していく女子大生のマネジメントを行っていくといいます。
その他にも、個々の才能を活かした芸能活動を行い、将来的には、マルチタレントとしてテレビ・CM・映画などさまざまなメディアで幅広く活躍できる新たなスターの誕生を目指すとのことです。現在は「ミス青山コンテスト」準グランプリ、「ミス東大コンテスト」準グランプリなど、大学ミスコンのタイトルホルダーが多数在籍しています。
■“知性的”“清楚”かつ“華やかさ”がある女子大生タレント&キャスターが増加か
女子大生といえば、かつて1980年代に大きな“女子大生ブーム”が起こりました。それはラジオ番組『ミスDJ リクエストパレード』やテレビ番組『オールナイトフジ』などから生まれたもので、女子大生特有のキャピキャピした雰囲気を前面に打ち出したものでした。当時のイメージで、ときには女子大生=“おバカ”みたいなイメージにとらえられることもありました。
それとは異なり、今回扱う“女子大生”は、“知性的”“清楚”で、かつ“華やかさ”もあり……というキャラクターの人が中心。キャスターとして活躍したり、あくまでも学生らしく学業との両立をこなしているイメージのある人が中心です。
美人女子大生キャスターといえば、1990年代後半からキャスター中心のプロダクションである「セント・フォース」の独壇場で、それ以外の女子大生キャスターも、同タイプのキャスター系プロダクションが手掛けることが多かったものでした。そんななか2010年前後くらいから、女優俳優をメインに手掛ける大手芸能プロで、女子大生キャスターを手掛けるケースも出てきました。ミスキャンパスコンテストで女子大生をスカウトして採用するケースも増えてきました。
ですが、このジャンルではもともとそんなに“椅子”は多くなかったので、大手プロのそういった動きも、あまり目立つこともありませんでしたが、近年ではAbemaTVのようなネットテレビや、プロダクションが自社でイベント会場や媒体を持ったり、SHOWROOMのような自主配信メディアも普及してきました。スカウトした女子大生がキャスター的な活動ができる場も増えてきて、そこで経験を積んで、それをステップにし地上波番組など大きな展開に持っていくという形をとることもできます。今後も、女子大生キャスターに力を入れるプロダクションも出てくることも考えられます。
■芸能プロ所属の美人女子大生→放送局アナウンサーの流れがますます活性化!?
女子大生タレントというと、その知的なイメージと、男性目線によるところのどこか惹かれる甘い蜜のような要素を兼ね備えていて、“女子大生ブランド”はまだまだ健在といえそうです。20歳前後のタレント、女優、レポーターにとっては、“女子大生ブランド”は一つの武器になり得るでしょう。ただ、それはあくまで入口としての強みであって、そこからタレントとしてブレイクしていくには、その人ならではの持ち味、個性、キャラクターなどを磨いていかなければなりません。
以前このコーナーで紹介したように、放送局がアナウンサーを採用するにあたり、学生時代からのタレント活動、キャスター活動を通してすでに人気者になっている人を積極的に採用するケースも増えていますが、女子大生タレントの活性化で、その流れがさらに目立っていくことになるかもしれません。
文/田中裕幸