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HKT48の中心メンバーから本格派女優へ 兒玉遥の挑戦

日本タレント名鑑 2020年3月23日 15時45分

HKT48の元メンバーで、現在は女優として活動するさん。

昨年9月に上演された『私に会いに来て』に続き、3月12日から上演されている舞台『改竄・熱海殺人事件』に出演しています。

兒玉さんの本作での熱演は、実力派女優への道を歩き始めていることを大いに実感させられます。その歩みと今後の期待を記します。

 

■つかこうへい舞台で熱演 女優としての成長を見せる

1973年に発表された、つかこうへい氏の代表作『熱海殺人事件』。数あるバージョンの中でも異端といわれるのが“モンテカルロ・イリュージョン”。

兒玉さんは今回その“モンテカルロ・イリュージョン”版で婦人警官・水野朋子役を演じています。その内容について、「すごくシリアスな部分もあれば、部長と茶番劇みたいな面白いことをやったり、はっちゃける部分もある。一つの役柄でたくさんの面を持ってる女の子です。演じがいがあるなと思います」(Girls News/2月17日掲載)と紹介してくれていました。

 

そして稽古開始前には「前回でお芝居とはこういうものだということを知れて、自分なりには100%出せたと思っていたんですけど、あとから振り返ってみると、『もっとできたな』とか『あそこはああすればよかった』という反省点がたくさん出てきたので、今回はお芝居の面でさらにパワーアップした自分をみんなに観てもらえるように頑張りたいです」(同)と意気込みを語ってくれていました。

 

そして迎えた舞台本番。出演者は4人のみで、捜査室を舞台にした密室劇。うち女性は兒玉さん一人です。

序盤から芸達者な共演陣にくらいついていく感じの兒玉さん。前半はコメディの要素が多いイメージがありつつも、物語に進むにつれてシリアスな芝居を見せる場面が増えていきます。

 

後半では、水野役とは別に、事件に深い関わりのある「山口アイ子」も演じている兒玉さんですが、アイコの、愛する人に裏切られ、今まで信じてきたものを汚された弱者の絶望を、狂気をもって表現。たたみかけるような長ゼリフのシーンでは、兒玉さんの小さな身体からパッションがほとばしるようで、観る者をステージに釘付けにします。

 

また今回の舞台では、ミュージカルではないですが、80年代歌謡曲を歌うシーンもふんだんに登場。兒玉さんがソロで歌う部分もありますが、そこでの動きや仕草からは、元アイドル歌手の片鱗をうかがえる部分も。

 

稽古前には「これを乗り切ったら無敵なんじゃないかと思えるくらい」と語っていた兒玉さん。今回の舞台は彼女にとって、一つのターニングポイントとなる作品となったのではないでしょうか。

 

■HKT48の中心メンバーとしてブレイク

 

そんな兒玉さんは2011年、AKB48の姉妹グループで、福岡を拠点としたHKT48 1期メンバーとしてデビュー。以降、多くの作品でセンターポジションを務めるなど中心メンバーとして活躍しました。

 

またAKB48のヒット曲『真夏のSounds good !』の選抜メンバーに選ばれたり、AKB48との兼任で活動を行い、キー局の音楽番組に出演したり、全国誌で取り上げられる機会も増え、一躍全国規模の人気アイドルになりました。同時に、ドラマや映画、舞台にも出演するなど活動の幅を広げていました。

 

そして2019年、HKT48を卒業し、現在の所属事務所に移籍。そこから本格的に女優活動をスタート、舞台『私に会いに来て』に出演しました。

アイドル活動中に何度か芝居を経験、そのときに楽しさを実感して芝居への関心が高まったといいます。そして「グループからの卒業をきっかけに、これからのことを考えていたときに、お芝居を通して、観ている人に感動してもらったり、心を動かしてもらうことをやってみたいという思いが強まってきました」(同上)と女優活動を本格的に行うきっかけを語ってくれました。

 

アイドルグループを卒業し、別の道で本格的に頑張っている人では、グループ時代のことを積極的に語りたがらなかったり、中には、なかったことのようにしている人もいますが、兒玉さんの場合は、SNSなどで今でもHKT48時代のメンバーのことをよく語ったり、メンバーとも交流している印象があります。

兒玉さんは「(卒業した)今のほうがフランクに話せるかもしれない。近くにいるより、離れてから気づくことも多く、今だから話せることもあって……」(同上)と、HKT48の現役メンバーたちと会う機会も多いようです。

 

■元アイドルを忘れるくらいの女優としての存在感に期待

 

今後について、兒玉さんはあくまでも女優活動を中心に頑張っていきたいと語ります。「お芝居以外は一切やらないと決めているわけではないんですけど、まずはベースの女優業がしっかりできていないと、ほかのことをやっても中途半端になってしまうから、まずお芝居で経験を積んで実力をつけていきたいなと思います」(同上)と、今後への思いを語っています。

 

今回の舞台では、共演の男性陣に比べると、特に前半では声量の面でやや弱さを感じる部分もありましたが、その声質は耳にしっかり届く魅力的なもので、さらに役柄が憑依したような芝居は高い評価を得ています。

 

今後、経験を積みスキル面に磨きをかけつつ、映像作品も含めてさまざまなタイプの役柄を演じることで、女優としての魅力を開花させてもらいたいものです。

 

NHK連続テレビ小説『スカーレット』で、元アイドルのオーラを消して関西のお姉ちゃん〜おばちゃん役を演じきるなど、どんな役でもその役になりきるさんのように、元HKT48だったことすら忘れるくらいの女優になってもらいたいと思います。

 

舞台『改竄・熱海殺人事件/モンテカルロ・イリュージョン』は3月30日(月)まで、東京・紀伊國屋ホール、4月11日(土)、12日(日)福岡・イムズホールで上演。

文/田中裕幸

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