2015年「ホリプロタレントスカウトキャラバン」でグランプリを受賞し、現在女優として活躍する木下彩音さん。先月末には初ヒロイン映画『Bittersand』が公開されました。ホリプロTSCの先輩、深田恭子さん、綾瀬はるかさん、石原さとみさんら偉大な先輩に続く、正統派女優として期待される彼女の、これまでの経歴や女優としての魅力などを紹介します。
★お笑い第7世代と共演 “突破交番”の美希巡査役で幅広い人気に
木下さんは2000年生まれの21歳。京都府出身です。2015年「第40回ホリプロタレントスカウトキャラバン #kawaii」でグランプリ受賞をきっかけにデビュー。2018年には『ウルトラマンR/B』(テレビ東京)で美剣サキ役に抜擢され注目されました。
最近では、風間俊介さん主演のドラマ『やっぱりおしい刑事』(BSプレミアム)に一話ゲスト出演。風間さん演じる押井刑事から思いを寄せられる、お嬢様女子大生役を演じました。
女優活動以外では、『めざましテレビ』(フジテレビ系)の“イマドキガール”として準レギュラー出演。主に最新のスイーツやグッズなどを紹介しています。また『THE突破ファイル』(日本テレビ系)の“突破交番”のコーナーで、“美希巡査”役として出演。EXIT、ぺこぱ、ハナコら今をときめくお笑い芸人たちとミニドラマに出演し、知名度を広げています。
“突破交番”や“おしい刑事”でも見せているように、“明るく元気”“正統派お嬢様ふう美少女”という強い木下さん。ですが先月公開された、初ヒロインを務めた映画『Bittersand』では、これまでの彼女のイメージを覆すような役柄を演じています。
★初ヒロイン映画は笑顔をほぼ見せない新境地の役柄に挑戦
映画『Bittersand』はミステリー要素の強い学園ドラマ。木下さん演じる絵莉子と、井上祐貴さん演じる暁人は、高校時代、何者かが教室の黒板に描いたクラスの男女の爛れた相関図によって、誹謗中傷の的となり日常が暗転。その7年後、運命的な再会をきっかけに、二人の想いを行き違わせた“相関図”事件の真実が明らかになっていくというストーリーとなっています、木下さんをはじめメインキャストが、高校生時代と社会人となった7年後の、二つの時代を演じていることにも注目です。
今回初ヒロイン作ということで、それまでの作品と比べて気合は十分だったようで、筆者のインタビューでは「やっぱり“やってやるぞ!”という気持ちは強かったです。実は“大丈夫かな”と不安に思うこともありました、撮影が始まる前は。でも撮影が始まってしまえば、“やるしかない!”という気持ちの切り替えができました。台本をもらってから何度も読んで、自分で考えて、こう演じたいというものができてきたので、それが“頑張ろう!”という思いに変わったんだと思います」(Girls Newsより)と語ってくれました。
本作では、高校時代に受けた嫌がらせにより心を閉ざしてしまったという役柄のため、劇中では笑顔がほぼない演技を見せています。
自身の高校時代とは全然違うという役柄ながら、嫌がらせを受けるシーンでは、感情が昂って涙が自然に溢れ出したといいます。木下さんの場合、つらい役をやるとどっぷり入ってしまうほうで、撮影期間中は、お芝居をしていないとき、普段の生活でも気持ち的に暗くなってしまってしまうタイプだといいます。だからこそお芝居をすると、絵莉子がすっと自分の中に入ったのかもしれません。
この作品が撮影されたのは約2年前、まだ女優としてのキャリアがあまりない段階で臨みました。にも関わらず、意志が強く、かつ繊細な性格の絵莉子を見事に演じきっています。その目の力や表現力もあり、観ていて絵莉子の存在に自然と引き込まれていきます。撮影期間はわずか8日間で、十分な睡眠時間もない中での撮影となったようですが、しっかりとした芝居を見せてくれています。
★幅広い役柄、アクションへの意欲も 女優としてのブレイクが楽しみ
そんな木下さんは初ヒロイン映画で見せた演技力に加え、正統派女優感、溢れる透明感などその存在の魅力もいっぱいです。さらに清潔感、聡明な雰囲気から、今後CMのキャラクターとしても引きが増えていくのではと思えます。
ホリプロタレントスカウトキャラバンからは、これまで多数の人気女優を輩出しています。現在の女優界を引っ張る存在としては、深田恭子さん(1996年グランプリ)、綾瀬はるかさん(2000年 審査員特別賞)、石原さとみさん(2002年グランプリ)らがいます。
その後も人気女優を続々と生み出していますが、不動の主役ポジション、CM契約も多数という大物となると上記“ビッグ3”を超える存在はまだでてきていないといってもいいのではないでしょうか。石原さんがデビューして約20年。木下さんにも大いに期待したいところです。
木下さんに今後女優として挑戦してみたいことを尋ねると、「もっともっといろんなジャンルのお芝居に挑戦していきたい。現実味のない役だったり、今回も笑わない役柄で真意がわかりにくい感じでしたが、もっと何考えているんだろうとか、もっと謎めいた役柄などもやってみたい。今アクションも勉強したいなという気持ちもあります。新たな挑戦をどんどんしていきたいなと思います!」(Girls Newsより)と意気込みを語ってくれました。
木下さんの女優人生はまだ始まったばかり。将来人気女優になっていくであろう彼女を、今の段階からぜひチェックしておいてもらいたいと思います。
文/田中裕幸