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ハーバード大の魚群にインスパイアされたロボット、分散型システムで集団行動する!

Techable 2021年1月22日 7時0分

魚の群れでは、誰かが積極的に動きを先導したり、互いにコミュニケーションしたりすることなく集団行動が成立している。ロボット工学においては、こうした分散型の自己組織化システムの実装が目指されてきた。

こうしたなかハーバード大学ジョン・A・ポールソン工学・応用科学部(SEAS)らの研究者チームは、魚の群れで見られる暗黙の調整をロボット工学に取り入れることに成功している。研究チームの開発した「Bluebot」と呼ばれる水中ロボットは、外部制御なしに集団行動を形成する。

視覚ベースで隣接する個体の挙動と同期

救助や探索などに活用されるロボットは、しばし人間にはアクセスが困難な場所へ出向く必要がある。こういった環境でロボット集団が目的を達成するためには、高度な自律性と柔軟性が求められる。

研究チームはBluebotにより、水中環境における自律的な集団行動を初めて実現。空中や水中の3次元空間で集団行動を形成するのは、地上よりも難易度が高い。暗黙のルールと3D視覚情報を使用することで、GPSやWiFiへのアクセスなしに利用できるのもメリットだ。

集団行動する魚は、近接する個体の動きに基づいて自らの振る舞いを決定している。同様の仕組みがBluebotにも備わっていて、これを可能にするのが青色LEDライトに基づく視覚ベースの調整システムになる。

シンプルな青色LED信号から複雑な集団行動を形成

各Bluebotには2台のカメラと3個のLEDライトが搭載されている。魚眼レンズカメラは、隣接するBluebotのLEDを検出し、独自アルゴリズムにより距離、方向、方向を決定する。

研究チームは、LEDライトの単純な生成と検出に基づいて、水中ロボットが、集合、離散、円形成などの複雑な自己組織化行動を示す可能性があることを実証した。集合する際Bluebotは、各ロボットの位置を計算し、中心に向かって移動。離散の際はその逆だ。さらに研究チームは、Bluebotによるシンプルな捜索任務もシミュレートしている。

Bluebotが魚さながらに集団行動する様子は動画で確認できる。同技術は将来的に、水中での環境モニタリングなんかに役立てられそうだ。

参照元:Robotic swarm swims like a school of fish/ Harvard John A. Paulson School of Engineering and Applied Sciences

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