ヤマハ株式会社は、一般社団法人音響通信協会が提供する「おもてなしガイド powered by SoundUD」などを活用し、文化芸術団体などの収益確保・強化のためのビジネスモデル構築を検証する実証事業を2021年2月1日から2月28日の期間で実施中。
なお同事業は、文化庁の令和2年度戦略的芸術文化創造事業「文化芸術収益力強化事業」として、「鑑賞型から参加型へのシフト及び海外市場の開拓を通じた新たなビジネスモデルの確立」という事業の一環として、国内20の文化芸術団体とともに実施している。
目的と方法同事業の目的は、新型コロナウィルスの影響で経営悪化ひいては衰退が懸念されている文化芸術団体や活動拠点である劇場・音楽堂・博物館などに対し、収益確保・強化に向けた新たなビジネスモデルを構築し普及させることだ。
今回は、スマートフォンアプリ「おもてなしガイド」を中心に、リモートで声を届ける応援システムや音声の情報を多言語の文字でスマートフォンに表示するヤマハが開発した「SoundUD」ソリューション、株式会社アクティビティジャパンや株式会社ドワンゴを中心とした映像制作、配信システムなどを活用する。
具体例のひとつに、博物館や美術館での音声ガイド・解説ガイドを「おもてなしガイド」で行おうというものがある。もうひとつは、自宅から参加できる「動画ツアー・リモートツアー」の実施。以下、これらの内容を説明していく。
音声・解説ガイドをアプリでこれまでの博物館や美術館での音声・解説ガイドは、専用機器を借りるケースが多く、感染症対策の観点からはリスクが大きいと判断されているようだ。そこで、個々のスマートフォンで事前に収録した解説音声を聞くことで、リスク低減に貢献しようというのが「おもてなしガイド」による音声・解説ガイドとなる。
また、この音声・解説ガイドを有料化し、施設の収益源とするという。クレジットカードを持たない人やアプリ内課金を利用できないユーザーに配慮し、博物館の受付やミュージアムショップなどでプリペイドカードを販売するとのこと。
「おもてなしガイド」があれば、さまざまな博物館や美術館などの施設の音声・解説ガイドを聞くことができるというユーザーの利便性向上にも期待できそうだ。
なお、「おもてなしガイド」による音声・解説ガイドに対応する施設は、京都府立植物園・博物館明治村・伊賀忍者キングダム・草津熱帯圏など。
世界のどこからでも日本を楽しめる「動画ツアー・リモートツアー」は、自宅にいたまま観光を楽しみたいというニーズに応えるサービス。アクティビティジャパンやドワンゴなどの配信プラットフォームと「おもてなしガイド」が連携し、動画で観光が楽しめる「動画ツアー」や、リアルタイムで観光地の魅力を体験できる「リモートツアー」を実施する。
「リモートツアー」では、リモート応援システム「Remote Cheerer powered by SoundUD」の機能を活かし、ユーザー参加型のインタラクティブな体験が楽しめるとのこと。なお、いずれのサービスも多言語対応で、海外にいながらでも日本観光を楽しむことができる。
「動画ツアー・リモートツアー」を実施する予定の施設は、国立歴史民俗博物館・東映太秦映画村・鳥羽水族館・ちひろ美術館など。
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