高級スマートフォンの代名詞ともいえるiPhoneの勢いは、まだまだ止まりそうにない。カウンターポイント社は、2020年第4四半期米国スマートフォン市場についての最新調査を発表した。
ハイエンド機種は好調2020年第4四半期の米国スマートフォン市場は、前年同期比で6%の売上減少となった。その一方で、記録的なiPhoneの売上と、Samsung Galaxyへの根強い需要により、市場は前四半期と比較して24%の成長を遂げた。Appleは、iPhone12の発売が遅れたにもかかわらず前年同期比で14%増、またSamsungは前年同期比5%の売上増加という結果に。
カウンターポイント社で米国のキャリア戦略を担当するディレクターのJeff Fieldhack氏は、ハイエンドのスマートフォン機種は好調だった一方で、格安スマートフォンは不調だった理由を話す。
「多くのメーカーにとって2020年第4四半期は難しい時期になった。特に、プリペイド端末や低価格帯市場向け端末を煎ずるメーカーにとっては厳しかったといえる。(中略)議会は次の特別給付金の議論をしていないし、失業保険も期限が迫る。こうしたことが、300米ドル未満のスマートフォン市場の需要を弱くしている。その一方で、高級ラインのスマートフォンは好調だった。消費者が、貯蓄に回していたお金を年末商戦で費やすことが、新機種購入につながったからである」と語っている。
今年の見通しは明るい同社リサーチアナリストのMaurice Klaehne氏は、今期のAppleの状況について強気な見方を示している。
同氏は「明るい材料は2つある。まずAppleは、iPhone12の発売開始が遅れ、その後の販売もスムーズにいかなかったにもかかわらず、前年同期比で極めて大きく成長した。キャリア乗り換えや機種変更の大規模キャンペーンを行った結果、新しいiPhoneの需要に供給が追いつかない状況が発生したのだ。(中略)特にiPhone12 Pro Maxは入手までほぼ3週間待たなければならない事態になった。新型iPhoneの需要の強さと供給不足が2020年第4四半期に起きたことを考えれば、2021年第1四半期にずれこむ形で、好調な売れ行きが続くと予想される」と述べた。
総括として、2020年第4四半期のスマートフォン市場は、前年と比較して全体の売上は減少。その一方で、iPhoneを筆頭に回復基調を示しており、2021年に向けて明るい材料をもたらしたといえる。
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