シンガポールの南洋理工大学(NTUシンガポール)発のスタートアップWhiz Mobilityは、非接触にて食事を配達する自動運転ロボットを開発した。
「FoodBot」と呼ばれるこの電動四輪ロボットは、2020年6月以来キャンパス内で6000食を超える配達をこなし、最近では近隣の公園まで出向く。
FoodBotの配達は人間の配達員よりも効率的だという。
車載カメラとアルゴリズムによる自律ナビFoodBotによる配達を希望するユーザーは、モバイルアプリから食べ物を注文し、ピックアップする場所を選択。飲食店は食事の準備をして、待機しているFoodBotに注文の品を入れる。ロボットはピックアップポイントに移動して、ユーザーが受け取るという流れだ(FoodBotが自律走行する様子は動画で確認できる)。
FoodBotは50kgまでの荷物が運搬可能で、事前にマッピングされた配送ルートを、時速5kmの安全な速度で移動する。
車載カメラとアルゴリズムにより自律ナビゲート。カメラでキャプチャされた映像はアルゴリズムに送られ、常にパフォーマンスが向上するシステムを採用している。
パーツやソフトはほぼすべて自作安全にキャンパス内を走行する仕組みとして、オペレーターによるカメラのリアルタイム監視も取り入れているようだ。オペレーターは必要に応じてロボットの動きを制御できる。
Whiz Mobilityの食品配達市場への参入は2019年12月。新型コロナの感染拡大に伴い、食事の配達が求められるようになったことから、昨年4月に最初の配達ロボットを制作した。その後配達ロボット5台体制に拡大している。
3Dプリント部品から回路基板までロボットのパーツはほぼすべて自前で用意。ロボット自体のソフトウェアや管理ソフトウェア、およびアルゴリズムも自作した。
Whiz Mobilityは現在、企業との協業を検討しており、配達サービスを非食品パートナーにまで拡大していく考えだ。
参照元:NTU Singapore student start-up builds robots for pandemic-proof delivery/ Nanyang Technological University