Clariは、SaaS企業のCRMデータやキャンペーン情報をAIで分析し、売り上げ予測を行うプラットフォームを提供している。情報入力・管理に関わる手作業を省き、売り上げ低下のリスクを軽減するアクションを起こせるようにするのが利点だ。
4%以内の誤差で四半期の売り上げを予測売り上げ予測は多くの企業が抱える課題であり、マーケティング・営業・カスタマーサクセス・財務といった各部署が共同して取り組む必要がある。サイロ化された情報では、売り上げ予測が立てられず、経営上の意思決定を誤ってしまう。
Clariは売り上げ予測に特化したプラットフォームであり、Eメールや電話記録、CRMデータなどを統合して分析する機能を提供している。人工知能によって、過去の取り引きパターンを自動的に抽出して、正確な売り上げ予測を行うのが特徴だ。リアルタイムで顧客毎に営業担当者が費やした時間や、失注のリスクを算出し、とるべきアクションについて洞察を得る。
同社によると、四半期ごとの売り上げは、最初の2週間を経過した時点で、4%以内の誤差で予測が可能だとされる。また、データ統合により、手作業でのデータ入力にかかわる時間を8割削減できるという効果もある。
16億ドルの評価額に達したユニコーン企業Clariの顧客はエンタープライズ向けソフトウェアが多く、具体的にはAdobeやZoomといった企業が並ぶ。例えば、SaaS(ソフトウェア・アズ・ア・サービス)企業であれば、新規顧客の成約率や既存顧客の更新率から売り上げ目標を算出するといった使い方が考えられる。
同社は、2019年に6000万ドル、さらに、2021年3月に1億5000万ドルの資金を調達した。その評価額は16億ドルに達し、いわゆるユニコーン企業の仲間入りを果たしている。得られた資金により、さらなる製品開発や、パートナーとの協業、そして、国際展開を進めていく見込みだ。
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