キング・アブドゥッラー科学技術大学(KAUST)は、エストニア発のスタートアップNatufiaをサウジアラビアに誘致している。
Natufiaはスマートな屋内菜園を開発する企業。生鮮食品へのアクセスおよび食品廃棄の削減が課題となっているサウジアラビアにおいて、高品質で新鮮な農産物が自宅で調達できる屋内菜園は魅力的だ。
NatufiaはKAUST Research and Technology Park(KRTP)に拠点を設けることで、KAUSTのベンチャーキャピタル部門、KAUSTイノベーションファンド(KIF)を通じて200万ドル(約2.2億円)の出資を得ることになる。
食品需要を満たし環境負荷を低減する2014年に設立されたNatufiaは、すでにアメリカとヨーロッパで存在感を示している企業だ。KAUST敷地内に拠点を設立することで、イノベーションのための研究開発リソースとサウジアラビアでのビジネスチャンスが得られる。
大学側としては優秀な学生を同企業に送り込んで研究開発を加速、サウジアラビアの食品需要に対処するのが狙いだ。
Natufiaは、キッチンで育てた野菜やハーブをそのまま食卓に届けるソリューション提供を目指す。同技術は食品廃棄物の削減にもつながり、包装や工場の汚染排出、フードマイレージや農薬を減らすことで環境への負荷を低減する。
冷蔵庫サイズのキャビネットで野菜やハーブを栽培Natufiaのスマート菜園は、冷蔵庫サイズのキャビネットで葉物野菜やハーブが育てられる。
革新的な水耕栽培技術により、気候や季節に関係なく栽培したい農作物を栽培できるように。栽培は完全に自動化され、水、照明、栄養の最適な組み合わせを提供し、1日2回もの収穫を可能にする。
気候や流通などの外的要因によって左右する農作物の品質や価格、食品サプライチェーンに依存しきることでのリスクはこの先ますます高くなると考えられ、こうした自己完結型の水耕栽培器の需要は高まりそうだ。
参照元:KAUST brings creators of world's first fully automated kitchen garden to Saudi Arabia/ King Abdullah University of Science and Technology