微妙な動きやその変化が検出できれば、スポーツでのスキル向上やケガの防止につなげられる可能性がある。
ペンシルベニア州立大学の研究者は、ドップラー効果を利用したシステムで、これを実現しようと試みている。マイクロドップラーレーダーをヘルスケア領域で使用するのは新しいアプローチとのこと。
人間の目よりも高い分類精度マイクロドップラーレーダーでは、反射波の周波数の変化を測定して、ターゲットの動きを検出する。
研究者は、まず歩行の検出に特化したシステムを開発し、アルゴリズムによってアスリートの歩行パターンを分類した。
さらには、ジャンプのパターンを分類するシステムでテストを実施している。テストでは、裸足、靴、ヒール付きの靴のいずれかのパターンでアスリートがジャンプ。アルゴリズムによりこれを分類したところ、精度は90%を超える結果となり、マイクロドップラーレーダーが人間の目では区別できない動きの違いを見分けられることが示された。
モーションキャプチャシステムよりも費用対効果が高い研究者が開発のマイクロドップラーレーダーシステムはポータブルで費用対効果が高く、現在動きの検出に用いられているモーションキャプチャシステムに代わる可能性がある。
今回の研究はアスリートを対象にしたものだったが、高齢者の転倒予防やパーキンソン病の早期発見、入院患者の身体機能の評価など、さまざまな用途で活用できるとのこと。
参照元:Preventing injuries and improving recovery with micro-Doppler radars/ Penn State News