農産物輸出大国のオランダでは、農業におけるエネルギー消費量の削減が課題となっている。こうしたなか、アイントホーフェン工科大学の研究者はハウス栽培を効率化するアルゴリズムを開発した。
同アルゴリズムでは、収益とカーボンフットプリントを最適化する。まずは、オランダの代表的な輸出農産物のトマトに合わせてアルゴリズムが調整された。
収益や二酸化炭素排出量を予測現在オランダの多くのハウス栽培では、温度や二酸化炭素濃度、時間などのパラメーターを生産者が手動で設定し、これに基づいてコンピュータ制御されているようだ。
ルールの設定には経験値はもとより、管理システムのモニタリングや農産物や電気の市場価格の把握が必要となる。研究者によるアルゴリズムではこうしたルールの設定を肩代わりしてくれる。
アルゴリズムは、管理システムや気候、農産物に関するデータと数理モデルを使用して、制御による影響を予測。例えば室温を上げることで、最終的な収益はどうなるか、あるいは二酸化炭素排出量はどれくらいになるかを説明してくれるとのこと。
天候や農産物の価格の変動も織り込む収益を最適化するには外気温や農産物の価格など、さまざまな変数を考慮しての制御が必要だ。例えばトマトの価格が下がると予想されれば、収益を最適化するために照明のコストを抑える必要があるかもしれない。
こうした変数は不確実性が高いにも関わらず、研究者によるアルゴリズムは高いパフォーマンスを維持できることが示された。
次のステップとして、温室での実験が控えている。また研究者は、トマト以外の野菜にもアルゴリズムを展開していく計画だ。
参照元:‘Greener’ greenhouse by new climate control algorithm/ Eindhoven University of Technology