株式会社ユーグレナと株式会社エアロジーラボ(AGL)は、KOBASHI HOLDINGS株式会社および株式会社リバネス協力のもと、竹富島・石垣島間においてユーグレナバイオ燃料を使用したドローンによる物流実証を実施し、成功を収めた。
地球に優しく安定した物流の実現へ同実験では、エンジン発電機とバッテリーを搭載することで最大飛行時間150分・最大ペイロード4kgを実現したAGL開発の小型ハイブリッドドローン「AeroRange QUAD」を活用。2021年3月16日にユーグレナ竹富エビ養殖株式会社で養殖したクルマエビ1kgを竹富島から石垣島へ輸送した(飛行距離約5.5 km)。
燃料には、ユーグレナ社のバイオジェット・ディーゼル燃料製造実証プラントで製造された、微細藻類ユーグレナ(和名:ミドリムシ)と使用済み食用油などを原料とするバイオ燃料を使用。この燃料は、燃焼段階でのCO2排出はあるものの、原料であるユーグレナが成長過程で行う光合成によりCO2を吸収するため、CO2排出量が実質的にプラスマイナスゼロとなるカーボンニュートラルを実現する。
同実験の成功は、離島間の安定した物流にくわえ環境に配慮したサステナブルな物流を実現するための第1歩といえるだろう。
参画企業について同実験に参画した4社について、これまでの協業実績などを簡単に紹介していく。
ユーグレナ社は、2005年に世界で初めて石垣島で微細藻類ユーグレナの食用屋外大量培養技術の確立に成功した企業。以降、ミドリムシ・クロレラなどを活用した機能性食品や化粧品の開発・販売を行うほかバイオ燃料の生産に向けた研究を進めている。
そんなユーグレナ社と2014年に共同研究開発契約を締結したのがKOBASHI HOLDINGSのグループ企業である小橋工業株式会社。2017年には世界初の大規模あぜ型微細藻類培養プールを稼働した。なお、今回の実験にもこの培養プールで生産したユーグレナが一部含まれているとのこと。
もともとKOBASHI HOLDINGSは、100年以上にわたって農業・ものづくりに携わってきたこともあり、耕作放置地や耕作不適地を活用して生産されたユーグレナを用いたバイオ燃料を使用したドローンでさまざまな社会課題の解決に貢献したいと考えてきた。そして、国内におけるハイブリッドドローン市場を牽引するAGLと連携し、中型ハイブリッドドローンの試作初号機「AeroRange Pro」や今回活用された「AeroRange QUAD」の開発・量産体制を構築している。
なおAGLは、KOBASHI HOLDINGSのほか、理工系の15人の大学院生で構成されるリバネスとも連携。「AeroRange Pro」の開発において協業したようだ。
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