新型コロナウィルスの影響による観光客の減少などに伴い地方における特産品の売上も減少傾向にあるという。そのうえ、都市経済圏と地域産業を結ぶ東京都内の自治体アンテナショップの売上も減少の一途をたどり、地域経済は打開策を必要としている状況のようだ。
そんななかZEROBILLBANK JAPAN株式会社は、境港市と鳥取県東京本部協力のもと、首都圏に住む地方出身者が故郷の特産品を紹介し、友人などと共同購入できる「AND LOCAL」の実証実験を2021年3月22日~4月18日の期間で実施する。
特産品を地元価格に近い安価で同実験では、鳥取県のアンテナショップでもある「とっとり・おかやま 新橋館」を使い、「AND LOCAL」を活用した鳥取県の名産・紅ズワイガニ(ボイル)の共同購入について検証していく。なお、今回は同社と協業しているトッパンフォームズも参画し、店頭チラシを担当している。
今回、「AND LOCAL」にてカニを紹介できるのは、鳥取県出身者および由縁者(家族に鳥取県出身者がいる・旅行で鳥取県を訪れたことがある)。紹介者は店頭チラシなどに記載されたURLからAND LOCALアカウントを作成し、共同購入を持ちかけたい友人などにLINEやFacebookメッセンジャーなどで「招待用URL」を送信する。
招待された人は招待用URLから購入意思と購入希望杯数を入力し、規定の共同購入数に到達すると紹介者が購入確定の操作を行うという流れだ。
ここでポイントとなるのは、商品が紹介者のもとに一括納品され、ラストワンマイルは紹介者が担うということ。このCtoC型のラストワンマイル物流の仕組みにより、特産品を地元価格に近い安価で購入することが可能となるという。
PR効果を確認「AND LOCAL」の実証実験は、2020年11月にも行われた。このときは、東京に住む境港市出身者がその友人に対してカニの共同購入を提案したところ、2週間で70杯のカニの販売が成立。鳥取県で水揚げされるカニは鮮度などの課題により東京でリーズナブルに入手しづらいということから購入数が伸びたのではないかと推測されている。
また、アンケート結果からは、鮮度が高いカニを地元価格で購入できることは、特産品や自治体のPRにプラスとなったことがわかったとのことだ。
「シェア買い」というコンセプトは、中国で急成長しているという。日本でも株式会社X Asiaの「カウシェ」が登場するなど徐々に拡がりつつあるようだ。今回の「AND LOCAL」は、地方の特産品に限定するという地方経済の活性化などを視野に入れたまた新しい視点のシェア買いサービスといえるだろう。
PR TIMES