タッチで操作できたり姿勢を把握して音楽を流したりと、一部のヘッドホンはどんどんスマート化している。ただし、製造コストや消費電力、重量などを考慮すると、今後も聴くことだけを目的としたシンプルなヘッドホンが主流であると考えられる。
こうしたなかラトガース大学の研究者は、ジャックを挿すことでヘッドホンをスマート化できるデバイスを開発した。「HeadFi」と呼ばれるこのデバイスがあれば、普通のヘッドホンがセンシングデバイスに早変わりする。
ユーザーの識別や心拍数モニタリングが可能にHeadFiでは補助センサーを追加せずにヘッドホンをインテリジェントなものにする。スマホなど、ヘッドホンの接続先デバイスとの間にコネクタとして配置することで機能し、センサーを搭載していないヘッドホンでユーザーの識別や心拍数モニタリング、タッチ操作などが可能に。さらにはマイクなしでの音声コミュニケーションも試されている。
既存のスマートヘッドホンに比べて安価で製造でき、消費電力や本体の重量も抑えられる。設計の変更なくしてセンシング機能を組み込めるのもメリットだ。
また設計がシンプルで小型なため、ヘッドフォン本体や接続先デバイスに集積回路として組み込むこともできるとのこと。
ヘッドホンに搭載のドライバーを多用途センサーとして利用HeadFiではヘッドホンに搭載されている2つのドライバーを多用途センサーとして利用しているようだ。
実験ではユーザーの識別で97.2~99.5%、心拍数モニタリングで96.8~99.2%、タッチジェスチャの認識で97.7~99.3%の精度を達成した。
世界中にあふれているヘッドホンをスマートデバイスに変えるHeadFiは、ユーザーを識別して個別メニューを提供するサービスやヘルスケアアプリなど、幅広い組み合わせで活用できそうだ。
参照元:HeadFi: Bringing Intelligence to All Headphones/ Rutgers