英国スコットランドの電力会社Nova Innovationは、スコットランド・シェトランド諸島の島に潮力発電の電気を活用した初の電気自動車(EV)チャージャーを設置したと発表した。
自然豊かな島の環境をクリーンに保つために、二酸化炭素を排出しないEVの電気を比較的珍しい潮力発電による再生可能エネルギーで賄うという先進的な取り組みで、周囲を海に囲まれた日本にとって参考になりそうだ。
潮の干満を活用した再生エネEVチャージャーが設置されたのはシェトランド諸島のイェル島。Nova Innovationはシェトランド諸島で5年以上前から自社開発の潮力発電設備を設置して送電網に接続し、住宅や事業所に給電している。
潮力発電は潮の干満をエネルギーにタービンを回して発電するという、風力や太陽光と同じく環境負荷の少ない発電方法だ。
シェトランド諸島での潮力発電では現在100kWのタービン4つが設置されていて、今回のチャージャーはその設備で発電された電気を活用している。
Tesla車を1時間で充電チャージャーはスコットランド政府が所有するEV充電ネットワークChargePlace Scotlandが運営する。Nova Innovationによると、Teslaの50kWhバッテリー2つを1時間で充電できるという。
近年、気候変動を背景に脱炭素の動きが加速し、EVも再生エネ発電も世界中で徐々に浸透しつつある。ただ、EV充電に使う電気が化石燃料を使った発電によるものでは元も子もなく、そうした意味でNova Innovationの今回の取り組みは理想形といえる。
ちなみに、同社はTesla社の蓄電バッテリーも活用して安定した電力供給に努めて、シェトランド諸島は再生エネをフル活用した先行例として他国の参考になりそうだ。
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