株式会社Synspectiveは、地盤陥没を予測する陥没領域抽出機能を開発したことを発表した。同社は、衛星データ解析によるソリューションの提供や、小型SAR(合成開口レーダー)衛星の開発・運用を行っている。
陥没事故を予測する近年、世界中の様々な場所で陥没事故が発生している。Synspective社によると、陥没事故は「地下トンネルの工事、石油/ガス汲取、地下石炭掘削、地下水汲取など」に起因することが多くあるという。これらの陥没事故は住宅街で発生すると建物に大きな損害を与えることがあり、ときに人命に関わることもある。
Synspective社の陥没領域抽出機能は、このような陥没事故の発生を未然に防ぐことを目指す。同社独自の予測アルゴリズムにより、空間的な変動と時間的な変動の特徴を掛け合わせることで、陥没が「起きそうな箇所」「起きた箇所」「起きた後進行している箇所」を検出し、把握することができる。
本機能は、同社が衛星データを用いて広域の地盤変動を解析しその結果を提供するソリューションサービス「Land Displacement Monitoring」に実装される。注目したい点は、自動でデータがアップデートされるため、複雑な衛星データの処理・解析・分析をプラットフォームが行うことだ。
様々な場面で活躍これまで、広域にわたる土地の沈降や地すべりのリスクを把握するには、多くの時間と人手がかかってしまうという課題があった。しかし、同サービスを活用することで、このような地盤変動リスクに関わる従来の観察または管理手法におけるコストと時間の削減が可能になる。
Synspective社によると「建設・工事プロジェクトをはじめ、空港メンテナンスプロジェクト、地下工事などにおけるリスク管理に利用できます。また、災害時に人が入っていくのが難しい地域、あるいは昨今のコロナウィルスによる移動制約があるなかでも、遠隔地・現場調査への活用が期待できます」という。
同社では、2021年4月21(水)に地盤陥没リスク管理に関するウェビナーを実施する。より具体的にユースケースを知りたい読者は、ぜひ参加してみてはいかがだろうか。
PR TIMES
Synspective
(文・Takeuchi)