危険を伴う業務を人間に代わって行うロボットが近年注目を集めています。スイスのロボット開発企業ANYboticsがこのほど発表した「ANYmal D」はその最先端をいくものの1つです。
検査分析の機器やソフトウェアを搭載し、エネルギーや工業処理などのプラントでの見回り業務を担える四つ足ロボットです。
施設内を自由に移動ANYboticsはここ数年、自律的に動き回るロボットANYmalの改善を図ってきました。最新バージョンとなるANYmal Dは産業施設内での見回りに使うことを想定して開発されました。
平坦な通路はもちろん、狭い通路や階段、でこぼこの道にも対応し、もちろん障害物を避けながら進みます。ギャップを超えたり、スロープをくだったりもお手の物。あらゆる方向に動くことができます。
ANYmal Dは360度LiDARや広角カメラ、深度カメラなどを搭載。これらを活用することで人間が操作することなく自律的に動き回ることができます。
異常検知でアラートそしてANYmal Dの売りは背中に検査ユニットを搭載していることです。ビジュアル用センサー、4Kカメラ、サーマル機器などを使って遠くから施設の外観をチェックしたり、表面の温度を測定したりといったことができます。
暗い現場ではLEDスポットライトを灯し、また指向性マイクは現場の音を録音して超音波周波数も測定するなど、人間の目や耳など五感のような機能、あるいはそれ以上の能力を搭載しています。
そして肝心なのは、不審なものがある、高温になり過ぎている、異音が響いているなど、何かしら異常をキャッチするとWi-Fiや4G/LTEモジュール経由でコントロールルームに警告を送ることです。これにより危険な状態をいち早く察知して対応することができます。
開発元によると、ANYmal Dはフル充電で90分駆動するとのことで、昼夜問わず工場などでの見回りなどに活用できそうです。同社は現在プレオーダーを受け付けていて、今年後半の出荷を予定しています。
ANYbotics
(文:Mizoguchi)