セカンドサイト株式会社は、最新の人工知能技術を活用した、高解像度映像解析プラットフォーム「SXCV-Engine(SecondXight Computer Vision Engine)(仮称)」の提供を開始しています。同社は、AIを簡単に活用できるアナリティクス・プラットフォームを提供する注目の企業です。
高精度AIモデルを搭載数年前の状況と比較すると、昨今では4Kなどの高品質な動画をすばやくリアルタイムに遠隔地へ送信することが可能になりました。これらは5G等に代表されるような通信技術の発展が大きく寄与しています。
一方で、AI技術を活用して、4K映像をリアルタイムかつ高精度に処理するには、多数のパラメータを持つAIモデルによる「処理時間」がボトルネックとなり、「高解像度/高FPS処理」か「多パラメータによるAI処理」のどちらかを犠牲にする必要がありました。
そこでセカンドサイトでは、低遅延な処理を行うエンジン「SXCV-Engine」を開発。これは、同社独自の「高速処理技術」と「パラメータの最適化アルゴリズム」を組み合わせることで、高い表現力を持つ高精度AIモデルを搭載しつつも、低遅延な処理を行うという特性を持ったシステムです。
NTTドコモと実証実験そして今回セカンドサイトは、NTTドコモおよび協和エクシオと共同で、5G技術とAI技術を組み合わせた実証実験を実施。この実験では、AIモデル及びAI実行エンジン部分をセカンドサイトが、IaaS部分を協和エクシオが、また5G伝送・網内クラウド環境(MEC)部分をドコモが担当し、実験環境を構築しました。
セカンドサイトの担当者によると「本実証実験を通じ、4K30FPS映像をフレーム落ちすることなく、低遅延に解析を行う技術を確立するとともに、実課題に対して本番運用に耐えるレベルで稼働することも併せて確認」できているといいます。
上記の実証実験を通じ、具体的にはどのような課題が解決されるのでしょうか。同社によると、「上空から撮影した4K映像を利用した緻密な人数・交通量調査」「ドローンで撮影した4K映像を利用した精密な検出」など、低遅延性・高精度・高FPS検出が求められる現場の課題の解決を目指すといいます。今後、AIを活用して私たちの生活がますます便利になっていきそうです。
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(文・Takeuchi)