2年ごとに開催される惑星防衛カンファレンス(Planetary Defense Conference)が、今年も4月26(中央ヨーロッパ夏時間)日から始まっています。
国連宇宙部(UNOOSA)が主催する同カンファレンスに、ヨーロッパ宇宙機関(ESA)なども協力。演習セッションでは、地球に衝突する可能性のある小惑星を発見した体で演習が行われることになっているようです。
NASAのジェットジェット推進研究所(JPL)によって作成されたシナリオは、以下のようなものです。
衝突モニタリングシステムで架空の小惑星の衝突日を特定 2021年4月19日に小惑星(「2021PDC」と命名)を発見。 2021年4月20日にESAとNASAの「衝突モニタリングシステム」によって、地球に衝突する可能性のある日付を特定(最も可能性の高い日は2021年10月20日、衝突の可能性は2500分の1)。 小惑星の物理的性質についてはほとんどわかっていない。サイズについても、明るさに基づく推定値は約120mとするが、実際の大きさは35~700mの範囲で前後。 衝撃の確率が着実に増加し、2021年4月26日のカンファレンス初日の段階で、約5%にまで上昇している(以降のシナリオについては演習参加者にも知らされていません)。いささか現実味を帯びたシナリオですが、“完全にフィクションで実在の小惑星衝突の可能性を示したものではない”とのESAによる注記があり、ツイートでも再三“想像上の”“フィクションの”といった表記がなされています。
直径20m級の物体の衝突は数十年に1回の頻度で起こっているブログ投稿によると、小惑星や物体の衝突は度々起こっているようです。
1908年には直径約30~50mと推測される物体がロシアのツングース周辺で2200km2を破壊しました。これくらいのクラスの衝突は、200~300年に1回の頻度で起こっているといいます。
また、2013年には、これまたロシアのチェリャビンスクで直径約20mと推定される物体が、約7200戸の建物に被害を与え、約1600人を負傷させました。これくらいのクラスの衝突となると、数十年に1回の頻度で起こっているようです。
直径1kmを超える小惑星については95%以上が発見されますが、100mより大きい程度のものであれば、4万個うちの30%未満しか発見されていません。
宇宙船を惑星に衝突させる計画も🛰️🪨 Deflect it: Fly a spacecraft into the asteroid, not destroying it but nudging it off collision course pic.twitter.com/0LYc1IMmAX
— ESA Operations (@esaoperations) April 26, 2021
ところで、衝突の可能性がある小惑星を発見したとして、対応策はあるのでしょうか。最も現実的なのは、政府機関への警告です。これにより、候補地の住民が避難するなどの事前の対応が可能となります。
小惑星に宇宙船を衝突させることで軌道を微調整しようとの計画もあります。これを実現すべく、NASAによるDoubleAsteroidRedirectionTest(DART)ミッションが進行中。DART宇宙船は、今年後半にはSpaceXのFalcon9ロケットによる打ち上が開始され、ターゲットとなる小惑星Didymosに向けて航行する計画となっています。
参照元:ESA to live tweet asteroid impact exercise/ ESA