サイバーパンク映画なんかで、ホログラムでドライバーに情報を提供する乗り物を目にしたことがあるかと思います。将来、自動運転車両にもこれに近いシステムが搭載されるかもしれません。
ケンブリッジ大学の研究者らは、ホログラムにより道路標識や道路上のオブジェクトを表示するシステムを開発しています。立体画像は、LiDARで収集したデータをもとに生成されたもので、位置を正確に重ねられます。
3D地上レーザースキャンで得たデータを超高精細画像に研究者らは、熱帯林の3Dスキャンに用いられる「地上レーザースキャン」という手法により、ロンドンの公道からLiDARデータを収集。波形データを処理して3Dモデルを作成しました。これをもとにした2D/3D超高精細画像を、ヘッドアップディスプレイにて投影します。
可変焦点距離でゴースト画像を映し出すことで奥行きを再現。テストでは、人や車、木といった道路上のオブジェクトが、さまざまな焦点距離で配置されたようです。
また同システムでは、立体画像を実際のオブジェクトの位置に重ねられ、障害物に遮られた道路標識を透視することで、安全対策の補強が図れるといいます。
ホログラムを複数のレイヤーで研究者らは、さまざまなオブジェクトを複数のレイヤーに投影できるアルゴリズムを作成したいと考えていて、これにより第1層で遠距離の道路標識を小さめに、第2層では近距離にある道路標識を大きめに表示する……といったことができるようになります。また、ドライバーの健康状態を表示すなどのパーソナライズにも対応可能です。
今後研究者らは、システムを車に収まるサイズにまで小型化し、実際の車に搭載してのテストを計画しています。
参照元:3D holographic head-up display could improve road safety/ University of Cambridge
(文・山田洋路)