1年前の早春は世界に新型コロナウイルス感染症が広がり始めた時期でした。社会や経済が混乱したことを受け、さまざまな産業が打撃を受け、スマートフォン業界も例外ではありませんでした。
その反動が2021年第1四半期に表れたようです。調査会社Canalysは同期間の世界のスマホ出荷台数が前年同期比27%増の3億4700万台となった、と発表しました。
iPhone 12が好調出荷台数をメーカー別に分析すると、第1位に輝いたのはSamsungで、7650万台を出荷し、マーケットシェアは22%でした。さまざまな価格帯のモデルを展開したのが貢献したようです。
そして第2位は5240万台を出荷したAppleで、マーケシェアは15%でした。「最新機種iPhone 12が好調で、そしてiPhone 11も根強い需要があり、勢いがある」とCanalysは分析しています。
実際、出荷台数はSamsungとAppleでは2000万台超の差がありますが、前年同期比ではAppleは41%増なのに対し、Samsungは28%増にとどまっています。
Huaweiは第7位に後退3位以下は、Xiaomi、Oppo、Vivoの順で中国勢が占めました。中でもXiaomiは4900万台と四半期としては過去最多の出荷を記録し、前年同期比62%増と全社の中で最も成長しました。
そして4位のOppoは3760万台で、5位のVivoが3600万台と肉薄しています。中国のメーカーは低・中価格帯の機種を豊富に展開し全体的に勢いがありますが、かつて首位だったHuaweiは人気ブランドHonorを切り離したこと、それから米国による制裁の影響で出荷台数1860万台で第7位でした。
新型コロナはいまだに猛威をふるっていて、Canalysは「まだ大きな懸念要因ではある」としています。ただし「メーンのボトルネックではない」と指摘し、むしろ今後は半導体のサプライチェーンがより大きな懸念事項になるとしています。
Canalys
(文・Mizoguchi)