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東映アニメーションの参画が決定したプロジェクト「アニメーション自動着色AI」

Techable 2021年5月14日 16時0分

私たちが普段見ている30分アニメには、数千枚を超えるセル画が使われているといいます。このセル画の着色作業は、専門技術を要し、業務負荷が高いため、人員確保が困難という現実があるようです。

これを受け、株式会社シナモンと株式会社ギークピクチュアズは、2021年1月にアニメ業界のDXを推進する共同プロジェクト「アニメーション自動着色AI」を発足。そしてこのたび、同プロジェクトに東映アニメーション株式会社が参画することがわかりました。

業務の時間90%、コスト50%以上削減

「アニメーション自動着色AI」は、アニメ制作におけるセル画の着色に特化したAIで、生産性向上とコスト削減を図ろうというプロジェクトです。

具体的には、まずデータを取り込んだときに欠落した線の補完を行う「前処理」と、キャラクターのパーツを判断し、着色箇所を抽出する「セグメンテーション」においてAIを活用。そのあと、カット内のキャラクターなどの参照カラーをAIが学習し、「着色」フローで1カットにつき1枚の参照画像を色付けすると、同じカット内の残りのスケッチをAIが着色するという流れです。

これにより、着色精度96%という高い水準の着色を実現しつつ、色付け業務の時間を90%、コストを50%以上削減するといいます。今後は、必要に応じてペイントツールとの連携インターフェイスも視野に、システムの構築を検討しているとのことです。

東映アニメーション参画でAI開発を加速

同プロジェクトは、シナモンがギークピクチュアズに対し「アニメーション自動着色AI」の提供を開始したことで始まりました。以降、ギークピクチュアズのグループ会社であるアニメ制作会社 株式会社ギークトイズが「アニメーション自動着色AI」の運用を行っています。

プロジェクト発足当初から、同AIを活用したアニメ業界全体のDXを見据え、ギークトイズ以外のアニメーション制作会社への提供を視野に入れていました。このたびの東映アニメーションの参画は、その第一歩と言えるでしょう。

今後は、日本最大のコンテンツ数を保有する東映アニメーションが、AI開発のための学習素材を提供することでAIによる深層学習を加速していくといいます。また、東映アニメーション作品での試験導入も予定しているとのことです。

PR TIMES(株式会社シナモン)
PR TIMES(東映アニメーション株式会社)

(文・Higuchi)

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