新型コロナウィルスが人々を震撼させてから1年以上が過ぎた今、世界のスマートフォン市場の動向はどうなっているのでしょうか。カウンターポイント・テクノロジー・マーケット・リサーチは、2021年第1四半期のスマートフォングローバル市場についての最新調査をしました。
トップ5社が市場を牽引カウンターポイント社によると、スマートフォングローバル市場は、Apple・Samsung・OPPOなどトップ5社の売上増を背景に、約12兆円に達しており、第1四半期としての記録を達成。1年前の2020年第1四半期は、COVID-19が中国や米国と欧州の一部に影響を及ぼし対前年の伸びが低かったことと比較すると、対照的な結果となりました。
同社の担当者は「欧州、中国、インドではその後の出荷量が予想を上回る結果」になったと述べ、興味深い点といえます。さらに、サプライチェーン上流の部品メーカーはトップ5社への供給を優先し、同時に各社はフラグシップ機種を従来の発売サイクルよりも早く市場に投入することができた結果、上位各社は好業績を上げることができました。この第1四半期に部品不足が発生したにも関わらず、このような記録を達成したことは市場関係者を驚かせたに違いありません。
ハイエンド機種が人気カウンターポイント社シニアアナリストのHarmeet Singh Walia氏は「Appleは、iPhone12が絶好調だったこと、発売が遅かったことによって需要が高まっていたことを受けて、第1四半期の販売シェア記録を樹立した。そのハイエンドの派生機種であるPro Maxは米国や欧州で人気で、これもAppleの売上拡大を後押しした」と延べ、グローバルスマートフォン市場のトップに君臨するAppleの強さを再度強調しました。
さらに、同社リサーチディレクターのTarun Pathak氏は「大手各社は半導体ファンダリ戦略を見直し、購入先を多様化することで、今年下半期には問題を解消すべく動いている。半導体不足によって一部の部品は価格が5-10%上昇するかもしれない。各社は今後、採用部品のやりくりによる部品表(BoM)全体での上昇分の吸収や、場合によっては小売価格への転嫁で凌ぐことになるだろう」と話しています。記録的な数字を出したグローバルスマートフォン市場ですが、未だコロナ禍が収まったとはいえない状況ゆえ、油断は禁物のようです。
PR TIMES
(文・Takeuchi)