すでに多くの人にとってWeb会議が日常化していますが、まだ効率面などに課題も残っています。
たとえばWeb会議では、対面に比べて参加者の反応や行動がわかりづらいため、これを補うツールの導入が求められています。
こうしたなかMicrosoftの研究者らは、オンラインで開催された「CHI 2021」にて、未来の仕事を支援するテクノロジーについての研究結果を発表。Microsoft Researchブログで取り上げられているものを一部ご紹介します。
AIシステムが会議のダイナミクについてフィードバックを生成ある研究チームは、インクルーシブで効果的な会議を支援するフィードバックダッシュボードを開発しました。「MeetingCoach」と呼ばれる同システムは、会議中に参加者の行動ダイナミクスをキャプチャし、AIが自動的にコンテキスト情報と行動情報を要約します。
ダッシュボードには、話者の交代や感情といった情報が表示されるほか、会議のどこで合意や反対、混乱があったのかを確認できます。
参加者はダッシュボードを確認することで、会議のダイナイクスに対する意識が向上。生産的/非生産的なダイナミクスについて理解し、発言や態度の改善が可能になります。
参加者は、会議の直後や次の会議の直前など、さまざまなタイミングでフォードバックが提示されることに効果を感じたようです。
会議の期待値をあらかじめ設定して肯定的なマルチタスクを後押しまた別の研究チームは、Web会議中のマルチタスクの状況について大規模分析を実施し、ベストプラクティスガイドラインを示しています。
分析結果からは、Web会議の約30%に電子メールのマルチタスクが、約25%にはWord文書などファイルを使った仕事のマルチタスクが含まれていたことが判明。これらは必ずしも悪いわけではなく、生産性とも密接に関連していました。
参加者のマルチタスクを減らしたい重要な会議は、午前中の開催を避けるのが良いとのこと。また、肯定的なマルチタスクを支援するための方法として、分割ビューなどマルチタスクがはかどるインターフェイスを、反対に会議に集中してほしいときには気を散らすものを排除した「フォーカスモード」を導入するとの提案もなされています。
また別の提案として、主催者が会議や会議の特定のパートの重要度をあらかじめ設定しておき、メンバーが参加/不参加および、会議のどのパートをスキップするかを決められる仕組みの導入が挙げられています。
参照元:CHI 2021: Making remote and hybrid meetings work in the new future of work/ Microsoft Research Blog