カトーテック株式会社（以下、カトーテック）は、人の感覚神経の特性からデータを解析し、人とほぼ同じ感覚を数値化することに成功した試験機「QUANTITEXTURE クオンティテクスチャー」を慶應義塾大学理工学部 竹村研治郎教授との共同研究により実現。2021年秋から販売する予定です。
「つるつる」「ざらざら」の数値化を可能にするQUANTITEXTURE触感は製品の特徴の一つとして製品評価に大きく関係していますが、視覚や聴覚に比べて、定量化が難しいとされてきました。人がものに触れたときに感じる材質感や感覚は、古くから「風合い」と呼ばれています。
カトーテックは、1961年に京都で創業された企業。1964年頃「布の風合い」を研究していた京都大学工学部の川端季雄氏が、製鉄業を営んでいたカトーテックに試験機の製造依頼をしたことが試験機開発の始まり。指や手のひらから感じる主観的な判断を客観的データに置き換える“風合い計測技術 KES（ケス）”が誕生したのです。
現在では世界中の様々な業種でKESが使われていますが、その中でも特に樹脂素材については「材質が硬く物性値での判断が難しい」との声が多くあったと言います。
QUANTITEXTUREは、そんな定量化が難しかった樹脂素材の “心地よさ・触感” の測定を可能にするもの。物体の物性値だけでの判断ではなく、触感評価に深く関係する“人の感性情報”からデータを抽出し数値化する手法が使われています。
QUANTITEXTUREの登場で、樹脂素材である自動車内装材や住宅内装材、スマートフォンのカバーなどの触感測定も可能となりました。
これまで、手の感覚に頼ってきたことを数値化することによって、製品の品質向上はもちろん、職人技術の伝承も期待できるでしょう。
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カトーテック株式会社
（文・和泉ゆかり）