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ワイズ技研の農業DX事業「Y'sSmartAgri」

Techable 2021年5月26日 9時0分

株式会社ワイズ技研は、ドローンやIoT、AIなどを活用したスマート農業のサービスブランド「Y'sSmartAgri」を展開します。その第1弾として、徳島県小松島市でのドローンによるオーガニック酒米の種籾直播を実施。また、埼玉県羽生市にてスマート養蜂の研究を開始しました。

地域活性化プロジェクト

「Y'sSmartAgri」は、地元団体と連携し、ドローンをはじめとする各種スマートテクノロジーを用いて農業のDXを図り、若い人材が積極的に農業に携わりやすい環境作りを通じて地域活性化を目指すプロジェクトです。

同社はこれまでも、ドローン事業「SkyFarm(スカイファーム)」を通じ、ドローンを使った農薬散布や空撮、点検、ラッピング、ドローン利用についてのコンサルティングを展開してきました。特に農薬散布においては、さまざまな圃場で多様な農作物への散布事業を実施。その中で現場の声を聞き、稲作で作業負担が大きい田植え業務をドローンで実施すべく検討を重ね、いよいよ「Y'sSmartAgri」第1弾の取り組みがスタートしました。

ドローンによる「直播」

その第1弾は、ドローンで水田に種籾を直接播種する「直播」の実施。徳島県小松島市の一般社団法人いきいきファーム立江の圃場にて、オーガニックの酒米(山田錦)種籾の直播を行いました。また、収穫までの生育状況をドローンで撮影・解析し、データに基づき最適な作業タイミングを導き出すことで、精密かつ効率的な農作業を実現するようです。なお、このドローン直播では、株式会社マイファーム協力のもと、種籾を鉄粉でコーティングした鉄コーティング種子を使用しています。

ドローン直播によって、従来ハウスで行われてきた種子からの育苗や苗床を運ぶという重労働が不要となり、 効率化と負担軽減が期待できるようです。なお、種籾の直播自体は、 これまでも各地で試行されてきましたが、いまだ定着しておらず、同社は直播の課題を改めて検討しクリアしていくことで、運用を現実的なものにしていきたいとしています。

スマート養蜂

同社は、第1弾の取り組み発表からまもなく、埼玉県羽生市にてスマート養蜂「Y'sSmartBee」の研究を開始したことを発表しました。同研究は、埼玉県立羽生実業高等学校 農業経済科と共同で行われています。

「Y'sSmartBee」とは、養蜂に関する蜜蜂の行動をデータ収集し、AIによる分蜂や体調管理などを予測するスマート養蜂のこと。養蜂では、女王蜂が新たな女王蜂の誕生と同時に働き蜂を連れて巣立つ「分蜂」を防ぐために、巣枠1枚1枚を確認しながら新たな女王蜂の卵や幼虫を取り除くという対策や、蜜源植物の減少や疾病、ダニの問題などに対して重要となる確認業務「内検業務」が、人的負担を増加し、生産性低下を招いているといいます。

そこで同社は、同高等学校に協力を依頼し、「Y'sSmartBee」を使用した実証実験を実施。巣箱内のセンサーで蜜蜂の行動データや環境データを取得し、分蜂予知や蜜蜂の健康状態などをAIで予測するようです。なお、監修者として神奈川県内の養蜂家・谷口侑太氏と学校法人東京農業大学厚木ミツバチ研究部 部長 岸村和真氏のサポートを受け、産学官の連携を実現。蜜蜂を育てながら特産品の開発および養蜂を担う若者の人材育成に注力していくとのことです。

PR TIMES(種籾直播)
PR TIMES(スマート養蜂)

(文・Higuchi)

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