株式会社GATARIは、株式会社乃村工藝社のイノベーション・ラボラトリー「NOMLAB(ノムラボ)」と共に、音声MRサービス「oto rea(オトリア)」を開発中です。
同サービスは、GATARIのMRプラットフォーム「Auris(オーリス)」を活用し、GATARIの音響・デジタルツイン・ARcloudを用いた体験設計と乃村工藝社の空間設計から演出・体験企画の知見を組み合わせたもの。そんな「oto rea」が今夏、事業者向けに本格展開されることがわかりました。
パーソナライズされた音が聞こえる「oto rea」は、既存の施設に物理的な施工を加えることなく、「音」による付加価値を生み出すMRサービスです。例えば、博物館内に「oto rea」を導入した場合、来場者一人ひとりの位置や動作によってパーソナライズされた効果音や解説音声を流すことができます。
音を発するのは首から下げたスマートフォン。体験者はスマートフォンの画面を見ることなく、立体的な音による演出に没入することが可能です。感覚的には、自分のまわりを10台のスピーカーが囲んでいるかのようなものだとか……。また、VRやARのようなデバイスを装着せず、スマートフォンからの視覚情報もないため、デバイスを感じないにもかかわらず、自分の動作に応じた音が聞こえるという斬新な体験ができるといいます。
なお、同サービスに活用されている「Auris」は、空間のスキャンから空間編集(トリガーとアクションの配置)、クラウドへの保存、マルチプレーヤーでの復元・体験までをスマートフォンのアプリケーション上でワンストップで実現可能な世界初のARcloudオーサリングツールです。
「oto rea」の拡張性「oto rea」は、2020年9月に乃村工藝社内のRESET SPACEにて体験会を実施しました。期間中、同サービスを体験した150人の中には、普段何気なくしている「イスに座る」「上を見上げる」という動作に音が聞こえることに驚いたり、子どものように歓声を上げたりしている人がいたようです。
また、GATARI代表の竹下俊一氏は、体験者の「RPGの主人公になったみたいだ」という言葉を受け、リアルの空間を三次元の広がりを持ったゲームとして取り組んでもらえる装置になると思ったといいます。
現在の「oto rea」では、体験者の動作・位置に応じた音声コンテンツの提供、聴力に応じたボリューム調整などのパーソナライズが可能。今後は音声だけでなく、照明や振動、香りの演出なども取り入れ、さまざまな感覚を複合していくことを考えているようです。
PR TIMES
(文・Higuchi)