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NTTとオリィ研究所、分身ロボットを活用した2つの実証実験実施へ

Techable 2021年6月19日 7時0分

日本電信電話株式会社(NTT)は、2020年10月に「障がい者の活躍推進」「リモートワールド実現に向けたビジネスの強化・技術連携」などを目的として、分身ロボットを開発する株式会社オリィ研究所と資本業務提携を締結しています。

同提携に先がけ、NTTは分身ロボット「OriHime-D」をNTT本社に導入し、外出困難な障がい者による応接室・会議室までの先導などの受付業務を実施。トライアルを経て障がい者2名を雇用し、2020年7月に本格導入しています。また、2021年4月には、両社とNTTコミュニケーションズシャイニングアークスによる、ICT×スポーツ×地域の共創プロジェクト「E Cheer Up!」が始動。障がい者施設の子ども達とラグビー選手を「OriHime」でつなぎ、新たな交流を実現しました。

そしてこのたび、「OriHime」「OriHime-D」といった遠隔操作型の分身ロボットを活用した2つの実証実験を開始します。

分身ロボットがカフェ店員に

そのひとつが、オリィ研究所と株式会社カンカクが2021年6月21日に共同でオープンする分身ロボット常設実験店舗「分身ロボットカフェDAWN ver.β」での分身ロボットを活用した遠隔接客の検証。NTTは、この実験を通じ、大容量低遅延なネットワーク・情報処理基盤を構築する「IOWN構想」を加速していきます。

店内では、ALSなどの難病や重度障害で外出困難な人々が遠隔操作する「OriHime」「OriHime-D」が接客サービスを担当。Aエリア 「OriHime Diner」には、席に伺いオーダー・ドリンクサーブ・会話などができる分身ロボットがいます。Bエリア 「BAR & Tele-Barista」では、元バリスタのパイロットが「テレバリスタOriHime × NEXTAGE」を遠隔操作し、目の前で淹れたコーヒーとチョコレートを提供するようです。

大容量低遅延なネットワークを活用し、分身ロボットのタイムラグのないストレスフリーな操作を実現することで、IOWN構想の目指すリモートワールドを具現化し、オリィ研究所が目指す、誰もが社会参加できる未来の実現に貢献していきたいとしています。

ウェルビーイングに関する授業

もうひとつは、小学校での「OriHime」と「ウェルビーイング」に関する授業の実施。「ウェルビーイング」とは、日本WHO協会が「健康とは、病気ではないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが 満たされた状態にあることをいいます」と表現した、いわゆる「幸福」「安寧」などを示す状態の良好性のことです。

リモート中心へと生活様式が変化する昨今、特に子どものウェルビーイングを高めることが重要という声もあるといいます。そこでNTTは、ICTがウェルビーイングを実現するひとつのツールとして活用できることを知ってもらうため、「OriHime」とウェルビーイングに関する研究知見をかけ合わせた授業を行うとのことです。

同実験では、「OriHime」や「ウェルビーイング」の説明、「ウェルビーイングカード」を用いたワークショップなどを展開。新渡戸文化小学校の小学5年生を対象に、2021年6月22日に実施されます。

日本電信電話株式会社(分身ロボットカフェ)
日本電信電話株式会社(小学校での授業)

(文・Higuchi)

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