「宇宙ビジネス」に大きな注目が集まるなか、宇宙用汎用作業ロボットを開発するGITAI Japanは、ISS(国際宇宙ステーション)への打ち上げ準備が完了したことを発表しました。
汎用作業の技術実証が目的今回の発表は、2021年度にISSのBishopエアロック船内で実施予定の、「GITAIロボット」による汎用作業遂行技術実証のNASAによる安全審査を通過した結果とのこと。この「GITAIロボット」は、2021年8月18日に打ち上げ予定のSpaceX社のロケットによりISSに輸送される予定です。
GITAI社は、米国民間宇宙企業Nanoracks社と共同で「GITAIロボット」による汎用作業の遂行技術実証を行います。具体的には、GITAI社が宇宙用ロボットアームS1に関する開発を担当し、Nanoracks社は打ち上げ機会の提供、軌道上での運用管理、データのダウンリンクを担当。一方、NASAは宇宙用ロボットアームS1の輸送とISSのBishop船内への設置を担当するといいます。
「宇宙用自律ロボット」の構築へそれでは、今回の技術実証ではどのようなことが行われるのでしょうか。GITAI社によると、同社が開発した宇宙用ロボットアームS1をISSのBishopエアロック船内に設置することで、スイッチ・ケーブル操作等の「ISS船内作業」と、宇宙用パネル組み立て等の「宇宙組立作業」の、合計2種類の作業をGITAIロボットアームS1で遂行します。
GITAI社のロボットアームS1によるすべての作業は、最初に自律制御によって遂行。そして、その後にヒューストンのNanoracks社管制室からの遠隔操作によっても遂行するという流れになるようです。
GITAI社は本技術実証を通して、「宇宙で汎用的な作業を遂行可能な宇宙用自律ロボット技術」の獲得を目指すとのこと。つまり、宇宙という場所でもロボットが自ら考え業務を遂行できるようなシステムを構築するというのです。
また、本技術実証を通して培った技術を、軌道上サービスにおけるドッキング・修理・メンテナンス作業が可能な船外ロボットアームの開発や、月面探査・基地開発作業が可能な船外汎用作業ロボットの開発にも着手予定。未来への人類へ多大な影響を与えるであろうビッグプロジェクトに、今後も注目していきましょう。
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(文・Takeuchi)