本や映画の中の出来事として捉える人も多かった現実世界と仮想世界の融合。コロナ禍で一気に身近なものになりつつあるようです。一例として挙げられるのが、TIS株式会社(以下、TIS)と東京大学 先端科学技術研究センター 身体情報学分野 稲見研究室(以下、東京大学稲見研究室)による共同研究。XR技術を活用した遠隔コミュニケーションの社会実装に向けた取り組みです。どのような内容なのか、詳しく見ていきましょう。
XR技術に対する期待の高まりXR技術とは、現実世界において実際には存在しないものを、表現・体験できる技術であり、「AR(拡張現実)」「MR(複合現実)」「VR(仮想現実)」等の先端技術の総称です。ICT関連用語では、さまざまな文字が入る部分に「x」を入れることで、総称として示す場合があります。XR技術によって現実世界と仮想世界を融合させることで、新たな体験や課題解決が可能になると期待されています。
例えばm経済産業省北海道経済産業局では、コロナ禍以前から、XR技術による新しいビジネスの創出を目指し、業界団体や支援機関との連携のもと、企業の積極的なチャレンジを支援。2021年も「xR Exhibition in Sapporo 2021」を共催しました。国や自治体、企業からも注目されている技術であることがわかります。
今回紹介するTISと東京大学稲見研究室も、コロナ禍以前から、新しい遠隔コミュニケーション技術の具体化をテーマに共同研究を実施。2019〜2020年度までの共同研究においては、「物理的に対面しなくても遠くにいる人同士の環境がシンクロしている状態:Synchronized-Environments」を2040年の遠隔コミュニケーションのコンセプトとし、Synchronized-Environmentsがインフラとして提供された社会における人々の経済活動の応用例を検討しています。
昨年からのコロナ禍によって、さらにそのニーズが高まり、具体化してきたことから、社会実装に向けて取り組むとしています。
XR技術で可能になる新たなコミュニケーション本共同研究では社会実装だけでなく、得られた研究成果で、アフターコロナの世界の社会課題を解決するサービス開発を進め、TISのXR事業が新しい社会の中で多くの人に活用される未来の実現を目指しています。
コロナ禍のこの1年ちょっとで大きく変化したコミュニケーションの取り方。今後はその変化スピードはますます加速すると考えられるでしょう。2040年には、今からは想像できないようなコミュニケーションを取っているかもしれません。
PR TIMES
(文・和泉ゆかり)