工場から介護施設まで、ヒトとロボットが協力する場面はこの先どんどん増えていきそうです。その際ロボットに求められるのが、ヒトが次に何をしようとしているのかを推測する能力。私たちが普段何気なく行っている、相手の意図やタイミングに応じたサポートを、ロボットにも覚えてもらう必要があります。
こうしたなか、 南カリフォルニア大学ビタビ工学部(USC Viterbi)の研究チームは、ヒトがIKEAの棚を組み立てる動作を正確に予測し、サポートするロボットを開発しました。ロボットはユーザーの好みに応じた動作を学習します。
ユーザーの好みを事前に学習研究チームによるロボットは、ユーザーの作業する様子を観察し、棚を組み立てる際に必要なネジやボードといったパーツを手渡しします。
ただし、棚を組み立てる順序は人それぞれです。作業傾向のバラつきに対応するために、ロボットは事前にユーザーの好みを学習し、これに応じて次に手に取るだろうパーツを予測しています。
ロボットがパーツをタイミングよく手渡しする様子は、YouTube動画で確認できます。
将来的にはヘルパーロボットの直感的な介護にも研究チームは、作業傾向を4つのタイプにカテゴライズ。注釈付きビデオからデータをもとに、行動からユーザーのタイプを分類するアルゴリズムを作成しました。これにより、わずかな行動からユーザーのタイプが判明し、最適なサポートに役立てられるというわけです。
今回のバージョンではユーザーの行動が手入力されたようですが、将来的にはコンピュータビジョンを用いてこれが可能になります。
また、今回の研究はヒトとロボットの共同作業に焦点を当てたものですが、ヘルパーロボットによる、より直感的な介護を実現するためにも、同技術が役立ちそうです。
参照元:Need help building IKEA furniture? This robot learns your preferences and lends a hand./ USC Viterbi
(文・山田洋路)