今や、ほとんどの人にとって生活必需品と言えるスマホ。コミュニケーションから情報収集、体調管理など、スマホ一つあれば、なんでもできる時代です。まさに、世の中の"写し鏡"とも言えるスマホの実利用データ「モバイルライフログ」を、社会に役立てるための共同研究が行われました。
スマホアプリ同士の関連性を可視化本共同研究は、フラー株式会社(以下、フラー)と立教大学大学院社会学研究科の木村忠正研究室が実施。フラーが提供するスマホアプリの起動ログデータに対してPOS分析等で使われるアソシエーション分析を適用することで、アプリ間の関係性や、世代ごとのアプリの使われ方の特徴を明らかにしています。
具体的に言うと、40代女性スマホユーザーはマクドナルトやニトリ、すかいらーくなどのショッピング・ポイントアプリからメールアプリやWebブラウザアプリへの遷移が多く、30代は大手ECアプリのグループアプリ(銀行、クレジットカード、ポイント管理)を併用するなどブランド経済圏でのまとまったアプリ利用が顕著に見られたのだそう。
本分析でわかるアプリの利用動向を活用すれば、人々の生活行動やライフスタイル、嗜好性などの社会のありようなどを、一定の精度で捉えることができるのではと期待されています。
「モバイルライフログ」が持つ可能性スマホの実利用データである「モバイルライフログ」。今回の共同研究結果からもわかるように、その成果は人々のスマホ利用の実態把握に留まりません。アンケートのように被験者の協力姿勢や記憶に依存することがないため、従来の手法とは全く別の視点から、人々のライフスタイルや社会の動向をうかがうことができるでしょう。
総務省が発表した「令和2年通信利用動向調査」によると、2020年の国内における個人のインターネット利用機器はスマホが回答者の68.3%、パソコンが50.4%と、スマホがパソコンを上回る状況です。スマホの利用者が増えるにつれて、「モバイルライフログ」を使った分析は、より注目されるのではないでしょうか。
今後もフラーと立教大学は、「モバイルライフログ」を社会に役立てるための共同研究を進めていくとしています。
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(文・和泉ゆかり)