新型コロナウイルスの感染拡大で旅行を控えているという人は少なくないでしょう。移動を制限せざるを得ない、そんな時代のニーズに応えるサービスが全日本空輸(ANA)発のスタートアップavatarinから発表されました。
観光施設などにロボットを配置し、プラットフォームを経由して遠隔地からロボットのいる場所を「訪問」するというものです。
ロボットを施設に配置このサービスは主に2つの要素から構成されます。1つは観光施設などに置く「newme」というロボットです。車輪のついたベース部分から伸びるポールにはスクリーンを搭載したデバイスが備えられています。そしてnewmeのカメラがとらえた映像がリアルタイムに送られます。
もう1つの要素はnewmeが置かれた施設と“訪問客”をつなぐプラットフォームです。ユーザーはプラットフォームで行きたい場所を選ぶと、実際に足を運ぶことなくその施設をバーチャルに訪れることができます。
夏にトライアル実施具体的にどんなことができるのか広く知ってもらうためにavatarinは夏休み期間限定のトライアルキャンペーンを実施します。
たとえば、キャンペーンに参加する箱根ガラスの森美術館のコンテンツでは、参加者はnewmeを自由に動かしながら開催中の特別企画展の見どころについて学芸員の解説を聞くことができます。
avatarinはこのサービスのベータ版を今秋から提供し、法人向けプランの予約受付も開始します。企業はプラットフォーム上で体験型商品を提供し、全国から客を呼び込むことができる、と同社はうたいます。そのほか、会社や組織内の限られたメンバーだけが利用するプライベートプランも用意されています。
観光だけでなく、病院に入院している家族を遠隔から見舞う、地方のファーマーズマーケットを眺めながら買い物するなど、アイデア次第で用途はかなり広がりそうです。
全日本空輸
(文・Mizoguchi)