空飛ぶタクシー時代が着実に近づきつつあるようです。ドイツの航空スタートアップVolocopterは米国ウィスコンシン州で開催中の航空ショーで、開発中の電動垂直離着陸機(eVTOL)を使った有人テストフライトを実施しました。
大勢の観客が見守る中で4分間の飛行を成功させ、同社のCEOは「2、3年以内に世界中の都市に電動フライトを持ってくる」と今後の展望を語っています。
一般客の前で飛行Volocopterはすでに本拠地のドイツをはじめ、シンガポールやドバイで無人・有人の両方でテストフライトを行っています。今回は米実験機協会が主催する航空ショー「AirVenture Oshkosh 2021」の一環として行われました。同社が米国で一般客の前で有人テストを実施するのは初めてです。
使用した機体は18ローター搭載のVolocopter 2X。パイロットが操作し、垂直に離陸して4分間飛行しました。同社によると、最高高度は50メートル、最高速度は時速29キロだったということです。
機体も展示都市内での近距離フライトや都市と郊外を結ぶやや長めのフライトなどのサービス提供を想定しているVolocopterは、Volocopter 2X以外の機体も開発しています。航空ショーでは同じくeVTOLのVoloCityを展示し、来場者は「未来の交通手段」を自分の目で確かめることができます。
同社は現在、将来の空飛ぶタクシーサービス展開に向けて欧州や米国で認証取得に取り組んでいます。はっきりとしたタイムラインはまだ示されていませんが、CEOのフローリアン・ロイター氏は「空飛ぶタクシーがやってきます。2、3年以内に世界中の都市で提供すべく取り組んでいます」とプレスリリースで述べています。
今回のテストフライトの映像はこちらで閲覧できます。
Volocopter
(文・Mizoguchi)