自然言語処理モデルのGPT-3が、思わぬ方向で社会に実インパクトを与えそうです。散文や会話を生成するGPT-3ですが、コードの生成がより実用的な活用法として台頭してきています。
6月にはOpenAIがGPT-3を用いたGitHub Copilotを発表し、コメントからコードが生成できるようになりましたが、これを強化するモデル、OpenAI Codexプライベートベータ版のAPIがリリースされました。改良版OpenAI CodexのAPIによって、たとえば自然言語を使ってゲームを開発するプラットフォームが構築できます。
意図を理解してコードにしてくれるOpenAI Codexは、自然言語と数十億行の公開ソースコードをトレーニングデータにしていて、Python、JavaScript、Go、Perl、PHP、Ruby、Swift、TypeScript、Shellといった12以上のプログラミング言語が利用できます。
プログラミングでは、成し遂げたいことを細かな手順に分解してコードに置き換えますが、OpenAI Codexは、コードへの置き換えの部分を担ってくれます。GitHub Copilotではアプリケーションのロジックの理解が必要だったのに対して、OpenAI Codexではよりザックリした指示に対応するコードを生成してくれるようです。
自然言語での指示でゲームを開発する様子もOpenAIブログ記事中の紹介動画では、OpenAI Codexを活用したプラットフォームでスペースゲームを開発する様子が観られます。画像の加工や動き、スコアリング方法などを自然言語で指示するとコードが生成されて、即座にゲームに反映されているのがわかります。
開発が自然言語でできるようになれば、プログラミングスキル習得のかなりの部分をスキップ可能になりそうです。
現在、OpenAI Codexは企業や開発者の招待段階。ウェイトリストへの登録が可能となっていて、段階的なスケールアップが見込まれます。
参照元:OpenAI Codex/ OpenAI
(文・山田洋路)