建築・インテリア業界では、大手組織設計事務所・ゼネコンを中心にデジタル化が進んでいますが、多くの中小設計・施工会社のデジタル化は思うように進んでいないようです。しかし、新型コロナなどの影響で働き方が変化し、デザイナーの設計プロセスで発生する資料のデジタルアーカイブ化や家具・建材メーカーの新たな営業戦略・販売方式の必要性が高まってきました。
そんな中、建築デザイン領域のDXを目指すtecture株式会社は、建築業界向けの建材・家具検索プラットフォーム「TECTURE」をリリース。これまでのサービス利用者数は1万5,000人を超え、サービス導入設計事務所数は約200社に達しました。そんな「TECTURE」が大幅にアップデートし、デジタルカタログとしての機能を強化しています。
進化する「TECTURE」「TECTURE」は、デザイナーによるデザイン事例の写真に家具や建材の商品情報をタグ付けし、ユーザーが気になった商品をその場で直接メーカーに問い合わせることができる検索プラットホーム。また、商品や写真ごとにリストを作成し、共有することでアイデアブックとして活用することも可能です。これにより、デザイナーの膨大な量の資料のデジタル化、メーカーの営業の新たな形を実現しています。
今回のアップデートでは、「建築をさがす」「家具・建材をさがす」の2つのタブでの絞り込み検索を実装。「建築をさがす」ではさまざまな空間のデザイン写真が表示され、その中の商品のピンをクリックすると商品詳細画面が開き、そこから問い合わせ・各種リンクへ移動できるようになっています。「家具・建材をさがす」では、「手すり」「天井材」「照明」「椅子」など欲しいアイテムをピンポイントで検索することが可能です。また、詳細な絞り込み項目で「防火」「防煙」「ホルムアルデヒド」など建築基準法に対応した建材を探すこともできるようになっています。
ちなみに現在、ARとAIを活用して空間情報を拡張する機能を開発中。これが完成すれば、雑誌に掲載されているデータ(紙面)にカメラをかざすだけで、掲載写真の商品データ取得、メーカーへのコンタクトなどが簡単にできるようになるといいます。また将来的には、空間にカメラをかざすだけで商品やメーカー情報が取得できる機能も実装するようです。
「toC」への展開も視野に「TECTURE」は、「BtoB」の検索領域を拡大し、建物・家具・建材・設計図書・3Dデータなど空間に関するあらゆる検索・データ管理を可能にすべく、2022年春までに複数の主要専門誌5年分に相当する3,500事例(約7万枚の写真)をデータベース化する見込み。また、「toC」へ向けたマーケットプレイスの展開も予定していて、2023年には日本最大級の空間デザイン検索プラットフォームとなることを目指すとのことです。
こうした事業拡大に向け、開発およびデータベース構築のための人材採用、組織基盤の強化に取り組むべく、総額約1.2億円の資金調達を実施。引受先は、Coral Capitaをはじめ個人投資家を含む8者です。
PR TIMES
(文・Higuchi)