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DNP、世界各地の書籍をオンデマンド製造・販売する「グローバルコネクト」に参画

Techable 2021年8月24日 20時0分

大日本印刷株式会社(DNP)は、米国最大手の取次会社イングラム社の子会社であるライトニングソース社と、世界各地の書籍をオンデマンド製造・販売する連携事業「グローバルコネクトプログラム」におけるパートナー契約を締結しました。

これにより、原書のニーズがある海外の専門書や学術書、流通量の少ない英語圏外で出版された書籍を日本国内で低コストかつ迅速に販売できるようになります。また、日本の書籍を世界中に提供することも可能になるかもしれません。

日本唯一のパートナー契約

ライトニングソース社は、アメリカ・イギリス・オーストラリアに製造拠点を置き、需要に応じて少部数印刷を行うPOD(Print On Demand)事業を展開中。「グローバルコネクト」は、製造拠点のある3国以外の国の印刷会社と契約して、世界中の出版社から許諾を受ける書籍のオンデマンド製造・販売を世界各地で展開する事業です。最大のメリットは、書籍の輸送にかかる時間やコストを圧縮できるということでしょう。

「グローバルコネクト」に参画できるのは、1つの国・地域につき1社のみ。DNPは日本唯一のパートナー契約会社として、日本国内に向けたサービスを2021年8月に開始します。

なおDNPは、2011年より海外の学術情報の大手出版社との間でPOD製造と生活者への直接納品(ドロップシップメント)の取引を行ってきました。そういった実績とDNPならではの高い印刷・製本技術による製品の品質が高く評価され、今回のパートナー契約に至ったといいます。

各国の書籍が流通しやすい世界へ

事業展開としては、ライトニングソース社が各国の出版社から許諾を受けた書籍の中で注文があったものを、DNPが小ロットに対応したPODによって必要な部数を製造。DNPグループ会社である丸善雄松堂の書籍販売サイト「ナレッジワーカー」にて提供します。また、今後はDNPが運営するハイブリッド総合書店「honto」の書籍販売サイトやAmazonでの提供も視野に入れているようです。

さらにDNPは、「グローバルコネクト」のパートナー各社の製造・流通機能を活用し、日本の出版社から許諾を受けたコンテンツを世界中に提供する「リバースグローバルコネクト」も検討中。これが実現すれば、日本の伝統文化やキャラクターなど、海外でも需要の高いコンテンツを持つ出版社の新たな販売機会創出につながると共に、公式コンテンツを適正に流通させる環境を整えることで海賊版の流布防止にも貢献します。

現在、「グローバルコネクト」に参画している世界の15ヵ国・27地域には、ブラジルや韓国など従来取り扱いの少なかった中南米やアジアの国も含まれているため、入手困難だった書籍も手に入るかもしれません。また、中国・インド・ロシアなどの人口が多い国も参画していて、15ヵ国合計で世界の総人口の半数以上がこの事業で提供されるコンテンツにアクセスできることになり、日本の書籍を世界に展開する際には、大きなマーケットを獲得することになるでしょう。

PR TIMES

(文・Higuchi)

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